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あん摩マッサージ指圧師の離職率と離職につながる背景

あん摩マッサージ指圧師は、整体院などの治療院や訪問マッサージ、介護現場など多くの場所で活躍することのできる仕事です。また、あん摩マッサージ指圧師になるためには国家資格が必要なので、信頼性も高いといえるでしょう。

しかし、検索エンジンで「あん摩マッサージ指圧師」と検索すると検索候補に「やめとけ」などネガティブなキーワードが出るので、離職率についても気になっている方もいるのではないでしょうか。

本記事では、あん摩マッサージ指圧師の離職理由について解説しています。これから、あん摩マッサージ指圧師を目指す人や、今ツラいと感じているひとも参考にしてください。

 

あん摩マッサージ指圧師の離職率

あん摩マッサージ指圧師は、整体院などの治療院や訪問マッサージ、介護現場など多くの場所で活躍することのできる仕事です。また、あん摩マッサージ指圧師になるためには国家資格が必要なので、信頼性も高いといえるでしょう。

しかし、あん摩マッサージ指圧師の業務には苦労を感じることも多いので就職する前のイメージと違い離職してしまう人も一定数いるようです。あん摩マッサージ指圧師単独のデータではありませんが、厚生労働省の新規学卒就職者の離職状況によるとあん摩マッサージ指圧師の分類される医療・福祉業界は、高校卒、大学卒ともに離職率上位5位以内に入っています。

 

離職が多いとされる背景

この章では、実際にあん摩マッサージ指圧師として就職した人が離職を考えるきっかけとなることについて見ていきましょう。

全体的な傾向としては、あん摩マッサージ指圧師の業務の過酷さが離職理由になっているようです。

長時間労働となるケースがある

あん摩マッサージ指圧師の業務は、診療開始前の準備から診療終了後の片づけまで長時間に及ぶことがあり、心身に負担がかかるため離職を考える人がいます。

近年では労働環境の改善を積極的に行っている企業も多いことから、早番と遅番などの勤務形態があり改善傾向にあるようですが、従業員数の少ない個人経営の治療院では朝から晩までの長時間労働が避けられないケースがあるようです。

休日の少なさやズレ

あん摩マッサージ指圧師の休日の少なさや、友人や家族と休日を合わせられないことが離職理由になる場合もあります。

あん摩マッサージ指圧師の就職先では、週休二日制を導入している場合が多いようです。一般的には週一日の治療院の休日ともう一日を休みとしています。

また患者さまは、仕事の無い休日に治療院にやってくる人も多いので、あん摩マッサージ指圧師の休日は、世間の休日とタイミングが合わない場合が多くなってしまいます。

カレンダー通りに休みが取れないと一般企業と比べると年間休日は少なくなってしまう傾向にありそれが負担になってしまう人もいるようです。

人間関係のストレスが特殊

あん摩マッサージ指圧師は、不調を改善するために患者さまとのコミュニケーションが必要不可欠です。しかし、治療院にはさまざまな患者さまが訪れるので患者さまへの対応だけでも細心の注意が必要になりストレスに感じてしまう人もいます。

また、あん摩マッサージ指圧師の働く治療院はスタッフの数が少ないケースも多く、一般企業のように部署異動をすることが出来ません。そのため、そりの合わない上司や同僚がいる場合、離職を選ぶしかない場合もあります。

身体を酷使する

あん摩マッサージ指圧師の仕事は、手を使って患者さまの身体を押したり揉んだりするので指や腕が腱鞘炎になってしまうこともあります。

また、あん摩マッサージ指圧師はほぼ1日中立ちっぱなしなので、足腰への負担も大きくなることが離職の理由になることもあります。

競合が多い

現代社会ではストレスも多く、マッサージやリラクゼーションの需要が高くなっています。そのため、リフレクソロジーや整体院などの無資格者も数多く出店していて、生き残りのための努力が必要です。

また、エステサロンなどで行われるリラクゼーションを目的としたマッサージは国家資格がなくても行うことが出来ます。養成校に通い努力して国家資格を取得しても資格を持っていない人と競合相手になることで、モチベーションが下がってしまい離職につながるケースもあります。

苦労して国家資格を取得しても賃金が高くないことがある

あん摩マッサージ指圧師は国家資格を得るために3年以上養成学校に通って専門知識を勉強する必要があります。

しかし、厚生労働省の職業情報提供サイトjobtagによるとあん摩マッサージ指圧師の平均年収は443.3万円となっています。また、国税庁の民間給与実態統計調査によれば、全労働者の平均所得は458万円となっていて、苦労して取得した国家資格なのに賃金が割に合わないと感じてしまう人もいるようです。

働き始めて辞めたいと感じたら

あん摩マッサージ指圧師として、働いていると人間関係や労働環境など様々な面から離職が頭をよぎることがあるかもしれません。仕事は人生の中で多くの時間を過ごすことになるので、辛い職場で無理に働き続けることで心身に影響が出てしまうこともあるでしょう。

しかし、あん摩マッサージ指圧師は指定を受けた養成学校に3年以上通い国家試験に合格することでやっとなることのできる職業なので簡単に資格を放棄してしまうことは少しもったいないでしょう。

あん摩マッサージ指圧師は、治療院だけでなく介護現場やスポーツ分野、独立開業など活躍の場が多くあり将来性のある職業といえます。また、あん摩マッサージ指圧師は患者さまに直接触れて施術を行うので、症状が改善して嬉しそうにしている患者さまの顔を間近で見ることが出来るのは大きな喜びといえるでしょう。

今の職場で感じている辛さも別の職場に移ることで解決できることもあるかもしれないので、あん摩マッサージ指圧師の資格を活かすことのできる道もあるでしょう。

まとめ

あん摩マッサージ指圧師は、国家資格で信頼性の高い仕事ですが、労働環境の過酷さや人間関係のストレスなどから離職を考えてしまう人も一定数います。

しかし、「マッサージ」を行うことが出来るのはあん摩マッサージ指圧師だけであり治療院で勤務する以外にも独立開業を目指すことや機能訓練指導員になって介護施設で働いたり、スポーツトレーナーや出張マッサージなど活躍の場が多くある将来性の高い仕事でもあります。

今ツラいと感じている原因としっかりと向き合ってあん摩マッサージ指圧師としてのキャリアプランについてじっくりと考えてみましょう。

 
【参照URL】
厚生労働省|報道・広報|報道発表資料|2023年10月|新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)を公表します
厚生労働省|職業情報提供サイト|あん摩マッサージ指圧師
国税庁|刊行物等|統計情報|国税庁|標本調査結果|民間給与の実態調査結果

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