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臨床実習は何をする?柔道整復師になるために必要な実習内容とは

柔道整復師の資格を取得できる学校に通うと、座学に加え臨床実習にて徒手技術や患者対応の基礎を学びます。臨床実習では、接骨院や医療機関に赴き、指導を受けながら現場で技術を学ぶことになります。柔道整復師を目指す学生が知っておきたい、柔道整復師になるために必要な臨床実習の内容について説明します。

柔道整復師の資格取得までに学ぶこと

まずは柔道整復師の資格取得までに学ぶ内容を説明しましょう。

柔道整復師の資格取得に必要な学習内容は、厚生労働省が定める「柔道整復師学校養成施設指定規則」によって規定されています。柔道整復師として必要な知識や技術はもちろん、医学全般や社会人としての一般教養、柔道実技なども含まれるのが特徴です。

専門学校や大学ではこれらの内容をベースとしてカリキュラムが組まれ、学生は必要な単位を取得した上で資格試験に挑みます。

学習内容は次のように大きく3つに分類されます。

基礎分野に関する学習

まずは柔道整復師になるための基礎分野を学びます。教育内容は次の表の通りです。

基礎分野 科学的思考の基盤
人間と生活

出典:公益社団法人全国柔道整復学校協会「柔道整復師になるには」より抜粋

基礎分野の学習では、柔道整復師として働くための基礎となる、医療従事者としての人間性や社会性を身につけます。科学的な物事の見方や、人を思いやる心を養うことが大きな目的です。情報化や国際化した社会に適応できる能力も育てます。

また、社会人に必要なビジネスマナーなどを学習するカリキュラムが設けられていることもあります。

専門基礎分野に関する学習

専門基礎分野としては次の内容を学びます。

専門基礎分野 人体の構造と機能
疾病と傷害
柔道整復術の適応
保健医療福祉と柔道整復の理念
社会保障制度

出典:公益社団法人全国柔道整復学校協会「柔道整復師になるには」より編集部で抜粋

専門基礎分野では人体の構造や機能、医学の基礎などを学びます。骨折や脱臼など、基本的な疾病や外傷の予防や治療の知識も身につけます。授業科目としては解剖学や生理学、病理学、公衆衛生学などが挙げられます。

さらに、医学の関係法規や社会保障制度、職業倫理などもこの分野で学びます。加えて柔道整復師のルーツである柔道にも実際に取り組み、柔道の精神を学び心身の鍛錬に励みます。

専門分野に関する学習

柔道整復師としての専門的な知識や技術を身につけるため、以下のような内容を学習します。

専門分野 基礎柔道整復学
臨床柔道整復学
柔道整復実技
臨床実習

出典:公益社団法人全国柔道整復学校協会「柔道整復師になるには」より編集部で抜粋

これまでに得た知識をもとに、一連の治療の流れを実践的に理解するため臨床現場での実習や実技に取り組みます。包帯学や基礎後療学などの柔道整復師になるための基礎的な内容や、骨折や脱臼、捻挫、打撲などのメカニズムなども履修します。

さらに柔道整復師に近年求められることの多い、高齢者やスポーツ選手の外傷予防技術なども学びます。

 

臨床実習の詳細

前述したように、専門分野を学ぶ上で欠かせないのが臨床実習です。柔道整復師になるためには臨床実習は必修科目であり、単位を取得しなければなりません。もちろん単位の取得のためだけでなく、資格取得後に実践力のある柔道整復師として活躍するためにも、その目的を理解した上で実習に取り組む必要があります。

そもそも臨床実習とはどのようなものなのか、詳しくみていきましょう。

臨床実習とは

臨床実習とは、実際に接骨院や整骨院、整形外科などの医療機関やスポーツの救護現場に赴き、実際の現場で終日体験しながら学ぶことです。

医療現場では、座学で学んだ内容だけでは通用しないこともあります。臨床実習は実際の患者様を相手に学べる大きなチャンスです。

学校で学んだ内容を活用しながら、指導者のもとで実際の患者様に対応し、実践的な知識や技術を身につけることが臨床実習の大きな目的です。

柔道整復師の仕事の流れを覚える

臨床実習では、柔道整復師としての一連の仕事の流れを覚えます。終日を実習先で過ごすため、患者様への対応や処置はもちろん、記録や報告の仕方、医療機器の使い方、スタッフとの情報共有の方法など、現場ならではの経験を積む機会となるでしょう。

患者様を誘導したり、受付をしたり、周囲との連携のとり方も学びます。

仕事の流れを通して、社会人や医療人としてのマナーや態度を学ぶことも重要です。実習は患者様やスタッフとのスムーズなやりとりに必要なコミュニケーション能力を磨く機会にもなります。

また、実習後にはレポートの作成も行います。仕事の流れや指導内容を自分自身にフィードバックし、学びをより深められるはずです。

問診や施術を実地で学ぶ

臨床実習中はあらかじめ患者様に同意を得た上で、問診や施術を見学する機会があります。指導のもと、患者様と実際に接することでコミュニケーションのとり方や、スタッフの役割を知ることができ、就職後の自分の姿を具体的にイメージできるでしょう。

さらに診療を見学しながら先生がなぜその治療方針や治療内容を選んだのか考えることで、より深い学びを得られます。空き時間に治療や手技などの手ほどきを受けられることもあり、生きた技術を習得できます。

これまで座学で学んできた内容と臨床例とが結びつくことで、知識や技術がさらに実践的なものとなるはずです。

実践力を身につけるため、臨床実習には意欲的に取り組もう

臨床実習は実際の現場を体験しながら学べる貴重な機会です。学校での講義だけでは身につけることが難しい、患者様への接遇や周囲とのコミュニケーションの取り方などを学ぶ機会も多いでしょう。

多くの患者様の痛みや悩みに寄り添い、適切な対応ができる柔道整復師になるためにも、臨床実習では自分なりの到達目標を定め、意欲を持って取り組みましょう。

 

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