柔道整復師の難易度は高い?合格率や試験の概要を解説
業界動向・知識
柔道整復師
柔道整復師は国家資格なので、柔道整復師として活動するためには国家試験に合格しなくてはいけません。国家試験に合格し、国家資格を取得して初めて、学校で学んだ知識を活かして施術を行うことができるようになります。
また独学で柔道整復師になることはできず、認可された専門学校か大学に通う必要もあります。今回は柔道整復師になるために必要な学校進学と国家試験合格の難易度についてご紹介していきます。
柔道整復師の資格が取得できる学校
柔道整復師の資格を取得するためには専門学校が大学に進学する必要があります。
専門学校の場合は3年間、大学の場合は4年間通う必要があり学費は400万円~が目安です。
専門学校のなかには夜間のコースを設けている学校もあり、アルバイトなど働きながら資格取得に向けて勉強することも可能です。
下記のページでは柔道整復師の資格を取得できる学校をご紹介しています。
資格取得を目指すことのできる学校は全国に100校以上あるため、どの学校に進学するべきか迷ってしまうかもしれません。
そこで重要になってくるのが、国家試験の合格率です。
柔道整復師国家試験の合格率はどれくらい?
まず初めに柔道整復師国家試験の合格率の推移をご紹介します。
年 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2019年 | 6,164名 | 4,054名 | 65.8% |
2018年 | 6,321名 | 3,690名 | 58.4% |
2017年 | 6,727名 | 4,274名 | 63.5% |
2016年 | 7,115名 | 4,582名 | 64.4% |
2015年 | 6,858名 | 4,503名 | 65.7% |
年度によって多少の上下はありますが、概ね65%前後の合格率を推移しており、約3人に1人は不合格となっています。1990年代までは80%前後の合格率だった年もありましたが、現在に至るまでに徐々に試験は難化しています。
せっかく専門学校や大学で学んでも国家試験に合格できなければ、柔道整復師として活動することはできません。
ほとんどの学校では国家試験の合格率をホームページ上などで公表しています。そのため学校選びの際には、国家試験合格率も確認したうえで少しでも合格の可能性の高い学校を選ぶことが重要です。
参考までにいくつかの学校の国家試験合格率を見てみましょう。(各公式サイトに記載の最新の数字を記載しています。2021/6現在)
大学
- 了徳寺大学(千葉) 98.1%
- 東京有明医療大学(東京) 84.4%
- 関西医療大学(大阪) 86.2%
- 常葉大学(静岡) 78.3%
専門学校
- 育英メディカル専門学校(群馬) 100%
- 東京柔道整復専門学校(東京) 100%
- 神奈川柔整鍼灸専門学校(神奈川) 100%
- 福岡医療専門学校(福岡) 100%
- 鹿児島第一医療リハビリ専門学校(鹿児島) 100%
- 新宿医療専門学校(東京) 94.0%
- 東洋医療専門学校(大阪) 90.1%
合格率の高い大学、専門学校をご紹介しました。
このように100%、あるいはそれに近い合格率の学校がある一方で全国平均の合格率が約65%であることを考えると学校によって合格率は大きく異なることがわかります。
また大学は4年制、専門学校はほとんどが3年制ですが大学のほうが合格率が高い、ということはありません。むしろ専門学校のほうが1年間早く資格を得て、現場に出ることができるので「早く実践を積みたい」という方には専門学校で柔道整復師を目指すのがおすすめです。
もし不合格になってしまった場合は、翌年以降に再度受験することになりますが近年の既卒生の合格率を見てみると15~20%となっており一度目の受験で合格できないと合格率はかなり低くなっています。
参考までに、同じく国家資格である「あん摩マッサージ指圧師」の合格率もご紹介しておきます。
年 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2019年 | 1,498名 | 1,300名 | 86.8% |
2018年 | 1,584名 | 1,315名 | 83.0% |
2017年 | 1,601名 | 1,354名 | 84.6% |
2016年 | 1,687名 | 1,422名 | 84.3% |
2015年 | 1,792名 | 1,549名 | 86.4% |
あん摩マッサージ指圧師の合格率は85%前後を推移しています。単純に比較はできませんが、柔道整復師に比べると合格率は高い傾向にあります。
このようにしてみると柔道整復師の国家試験は決して簡単とは言い難いことがわかります。
柔道整復師の国家試験の概要
国家試験は年に一回のみ実施されます。
試験会場は
- 北海道
- 宮城県
- 東京都
- 石川県
- 愛知県
- 大阪府
- 広島県
- 香川県
- 福岡県
の全10会場です。
国家試験は「必修問題」と「一般問題」に分かれています。合格に必要な点数は以下の通りです。
- 必修問題(全30問、計30点) 24点以上(正答率80%以上)
- 一般問題(全200問、計200店) 120点以上(正答率60%以上)
国家試験は丸一日を使って行われます。
試験科目は
- 解剖学
- 生理学
- 運動学
- 病理学概論
- 衛生学・公衆衛生学
- 一般臨床医学
- 外科学概論
- 整形外科学
- リハビリテーション医学
- 柔道整復理論
- 関係法規
となっています。上記の11科目から230問が出題され、解答はすべてマークシート式となっています。
実際にどんな問題が出題されるのか見てみたいという方に、下記のページでは過去問に挑戦することができます。
国家試験の開催時期
柔道整復師の国家試験は毎年3月に行われます。卒業年度の3月、つまり卒業直前に国家試験を受けることになるので、就職活動は国家試験のまえに終わらせておく必要があります。
国試黒本では毎年、就職フェアも開催しており、2021年は7月に東京と大阪で就職フェアを開催します。国家試験の勉強に集中するためにも、今年就職活動を控えている、という方はぜひ就職フェアにご参加ください。
柔道整復師の難易度まとめ
柔道整復師の国家試験合格率は約65%。過半数の人は合格することができますが、受験者の全員が3~4年のあいだ学校に通い勉強して受験した結果、と考えると決して簡単な資格ではないことがわかるのではないでしょうか。
柔道整復師の資格取得の難易度は低くありません。柔道整復師になりたい、という夢を持っている方は学校選びも慎重に行い、しっかりと勉強していきましょう!