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鍼灸師になる学費はいくら?金額・支援制度・節約方法のすべて

鍼灸師になるためには国家資格を取得する必要があり、そのためには鍼灸師として必要な知識や技術を学ぶための学校である養成学校に入学することが求められます。

そこで気になるのが、鍼灸師になるための学費はどの程度必要なのか、ということではないでしょうか。

今回は、鍼灸師の養成学校に必要な学費や、それらを支援する制度についてご紹介します。

鍼灸師を目指す学費の現状を知ろう!

鍼灸師になるための養成学校は大きく分けると大学と専門学校があります。鍼灸師になるためには最短でも3年間、大学であれば4年間学び、国家試験を受験のち合格しなければなりません。

鍼灸師の養成学校は全日、午前、夜間のみなどの授業時間によって様々なコースがあるのが特徴です。一般的に大学は全日制、専門学校は全日制のある学校もありますが、午前や午後のみのコース、夜間コースが中心となっています。

学校の種類や学費(入学金、授業料、教材費等)について

鍼灸師の養成学校には大学と専門学校があります。大学は全国に約10校あり、専門学校は約80校あります。

鍼灸師の養成学校の学費内訳は、受験料、入学金、授業料、教材費や施設実習費などの諸経費となっています。複数の学校の学費を見てみると、学校やコースによって違いはあるものの、受験料が1〜3万円ほど、入学金が30万円ほど、年間授業料は140万円ほど、その他諸経費で30万円ほどとなっています。

入学金や授業料などを合わせて3年間で概ね400〜500万円程度、夜間のみのコースであれば少し安い場合が多く300万円台、大学であれば4年間で授業時間が多いということもあり700万円以上という学校もあります。

学校によっては減免制度などを設けていることもありますので、記載されている学費に変動があることもあります。

鍼灸師の養成学校の学費
●大学:入学金約20〜30万円、年間授業料150〜170万円、その他約30〜40万円
●専門学校 全日:入学金約20〜30万円、年間授業料120〜160万円、その他約20〜40万円
●専門学校 昼間部:入学金約20〜30万円、年間授業料120〜150万円、その他約20〜40万円
●専門学校 夜間部:入学金約20〜30万円、年間授業料120〜140万円、その他約20〜40万円

国家資格取得のための費用

試験を管轄する公益財団法人東洋療法研修試験財団によると1つの試験で14,400円の受験料がかかります。鍼灸師は、はり師、きゅう師と異なる別資格のため2つの試験を受ける必要があり、合計28,800円の受験料となります。

国家試験に合格した場合、鍼灸師として登録するための申請手数料と登録免許税がかかります。こちらも、はり師、きゅう師でそれぞれ申請手数料が5,600円、登録手数料が9,000円となりますので、2つの資格を取得する場合の申請手数料は11,200円、登録免許税は18,000円となり、合計で29,200円かかります。

国家試験に合格後、鍼灸師の国家資格取得のために必要な受験料と申請手数料などを合わせると、合計58,000円必要となります。

その他、受験願書の提出や受験票の受け取りなど、郵送に関わる諸費用が発生します。

忘れがちな生活費

学費に加えて必要なのが生活費です。学校が自宅の近くであれば、通うことができますが交通費がかかります。もし、学校が遠方の場合には、一人暮らしを行う場合もあるかもしれません。その際には、家賃や生活費が最低でも月々5〜10万円は必要となります。

専門学校の昼間部や夜間部などのコースで学んでいる人は、その多くがアルバイトなどの仕事と両立させている場合が多いです。授業が終わる午後から、または始まる前の日中に鍼灸整骨院などで働くことで収入が確保でき、経験も積むことができます。

 

鍼灸師になるために学費を抑える方法

鍼灸師になるための学費が高いと感じた方は多いかもしれませんが、ここからは学費を出来る限りおさえる方法をご紹介します。

学校によってその内容は様々ですが、授業料の減免制度が多数あり、国や自治体の制度の利用が可能な場合もあります。

夜間部で授業料を抑える方法

鍼灸師になるための専門学校の多くは夜間部のコースがあります。日中に仕事を行い、夜18〜21時過ぎまでが学校の授業というスケジュールで国家資格取得を目指すコースです。

多くの学校で、夜間部は学費が安く設定されています。夜間部限定の減免制度を設けている学校もあり、3年間で20〜80万円など費用を抑えることが可能です。日中に鍼灸院などで働くことができるので、生活費や授業料の補填を行いながら経験を積むこともできます。

国や自治体の経済的支援制度の活用方法

国から受けられる支援制度としては日本学生支援機構の奨学金がありますが、採用枠には限りがあるため厳正な審査があります。高校卒業後に進学希望の場合には、高校生の時点から早期の申請登録を行うことができます。

各地方自治体が設けている進学に向けた支援制度がある場合もありますので、お住まいの自治体で確認を行ってみてください。その他には、教育ローンを活用する方法もあり、国の制度である日本政策金融公庫のほか、各金融機関や信販会社からも様々な内容で提供されています。

学校独自のサポート制度(奨学金などがあれば)で学費を削減

各専門学校や大学が独自に設けているサポート制度もあります。例えば、医療系の有資格者や柔道整復師を目指すコースと同時または次年度以降に入学する場合に減免を行うものです。

専門学校の夜間部には学費が低く設定されていたり、条件を満たすことで減免制度を設けている学校も多くあります。入学時にサポート制度の利用可否が決まる、指定校推薦による減免、成績優秀者に対する特待生への減免などもあります。

セカンドキャリアとして鍼灸師になるための給付金制度も

社会人経験がある人は、厚生労働省が行っている教育訓練給付金制度の利用が可能な専門学校もあります。セカンドキャリアとして鍼灸師を希望する場合に、最大168万円がハローワークより支給される制度となっています。

制度利用が可能な学校には限りがあり、過去の雇用保険の加入状況など一定の条件がありますので、セカンドキャリアとして鍼灸師を検討されている方はぜひ調べてみてください。

学校選びには実習施設やサポートも重要!

鍼灸師になるために行く必要がある養成学校ですが、国家試験を受ける前に最低でも3年間通い、国家試験に合格するための知識や鍼灸師になるための技術を学ぶことから、学校選びはとても重要になります。 

2000年以降、厚生労働省による規制が緩和されたことから、鍼灸師の養成学校は大幅に増加しました。ここからは様々な観点から、学校選びにチェックすべきポイントをご紹介いたします。

鍼灸師実習に必要な施設や設備

1999年までは鍼灸師の養成学校は全国にわずか11校でした。 歴史ある学校か新しい学校であるか、という点で施設や設備に違いがあることもあります。鍼灸師の養成課程の必須項目に鍼灸院での研修がありますが、その研修は併設の鍼灸院なのか、外部の鍼灸院で行うのか、といった違いもあります。

施設は新しい方が良い、伝統がある方が良い、など自分が重要視するポイントをまとめると良いでしょう。また、国家試験の合格率も学校により差がありますので、比較検討のひとつとしてチェックしてみてください。

交通アクセスやキャンパスライフの充実

通いたいと思える学校であると同時に、アクセスの良し悪しは重要な鍵となります。

都心部にある学校は公共交通機関で通学することが多くなり、都心から離れた場所にあると自転車やバイクで通うことが多いでしょう。

どちらも一長一短ありますが、忘れてはいけないのは職場からの距離です。特に専門学校の場合、午前や午後から鍼灸院などで仕事をする学生さんも多いため、そうしたことを考えている方は、学校だけでなく通勤のしやすさも考慮できると後悔しません。

学校での就職サポート制度とは?

学生生活の3〜4年間は思ったよりも短いです。資格取得後の就職サポート体制は鍼灸師の養成学校選びのチェックポイントのひとつです。

提供される就職サポート制度がどのようなものなのか、募集要項や見学時に必ず確認するようにしましょう。歴史のある学校であれば多くの先輩が既に各方面で活躍していたり、逆に新しい学校であればスポーツや美容などの分野の鍼灸院などへの就職に特化している場合もあります。

鍼灸師としてのキャリアパスとそれに伴う経済的見通し

奨学金や教育ローンなどを利用した場合には月々の返済が必要となります。最低でも月に数万円程度は確保したいところですが、鍼灸師の給料はどの程度見込めるのでしょうか。

全日本鍼灸学会雑誌 に掲載された調査報告によると、鍼灸師の年収の中央値は324万円であり、期間工合同会社が調査した日本の年収の中央値320万円とほぼ同じです。

しかし、鍼灸師だけ保有している方の年収の中央値は260万円となっており、柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師など、複数資格を有している方が年収は高い傾向にあります。

奨学金を利用する場合や複数の資格を取得する場合には、どのように学業を進めていくか、仕事との両立をどのように行うかのプランをしっかりと練るようにしましょう。

まとめ

鍼灸師になるための学費は最低でも400万円程度準備する必要があります。条件が合えば各種奨学金を利用できるほか、学校独自で減免制度も数多く設けてあり、セカンドキャリアとして鍼灸師を目指すためのサポート体制も整いつつあります。

全国に100校近くある鍼灸師の養成学校ですが、学校により特色が違っています。大学や全日制の専門学校は学ぶことを主体としていますし、鍼灸師養成学校として数十年以上伝統のある学校や、新しい設備や今の時代の流れに合った学習方法を提供している学校、など様々です。

インターネットで情報収集を行い募集要項を請求した後は、希望する学校に直接問い合わせを行い、見学に行って、自分の今後のキャリアプランにあった学校を選ぶようにしましょう。
  

 
【参照URL】
はり師国家試験の施行|厚生労働省
きゅう師国家試験の施行|厚生労働省
公益財団法人東洋療法研修試験財団の受験案内
新規登録申請の方 | 免許登録等の実施 | 公益財団法人東洋療法研修試験財団
鍼灸専門学校の乱立と教育の質の確保に関する質問主意書:質問本文:参議院
全日本鍼灸学会雑誌

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