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鍼灸師資格試験に出題される問題は? 過去問題付きで解説

国家資格である鍼灸師の資格を取得するためには、国家試験に合格する必要があります。どのような問題が出題されるのか、気になる方もいるでしょう。これまでにどのような問題が出題されたのか具体的な内容を見ていきましょう。

鍼灸師の第32回国家試験の回答速報ページはこちら

試験は全13~14科目と広範囲

「鍼灸師」という言葉には「はり師」と「きゅう師」の2つの資格が含まれています。それぞれ別の資格ですが、同時取得が可能です。

はり師ときゅう師のどちらも資格試験には実技がなく、四肢択一によるマークシート式の筆記試験しかありません。しかし試験科目が13~14もあり、出題範囲は広範囲です。

うち12科目ははり師ときゅう師の共通で、1科目のみ異なります。そのため、片方だけでも13科目、両方同時ならば14科目を受けなければなりません。

出題数は年を追うごとにやや増加気味で、2021年2月に実施された試験では共通科目の出題が160問もありました。共通科目以外では10問ずつ出題されています。

試験時間は両方同時受験(14科目180問)の場合で4時間、どちらか一方の受験(13科目170問)でも3時間45分です。長時間にわたるために、試験は午前と午後に分けて行われます。

視覚障害者の試験時間は約6時間です。受験方法は「普通文字」「拡大文字」「超拡大文字」「点字」の4つのなかから選べます。また、学校・養成施設の長の承認があれば、「DAISY-CD」による読み上げも併用できます。

出題数が変わっても配点と合格ラインは例年同じで、1問1点、60%以上の正解で合格です。2021年2月に実施された試験では、はり師・きゅう師ともに170満点中102点以上の得点が必要でした。

試験科目と過去問題

はり師ときゅう師では、ほとんどの試験科目が共通しています。試験科目の詳細は次の通りです。

【はり師ときゅう師それぞれの試験科目】

はり師 きゅう師
共通科目 ・医療概論(医学史を除く)
・衛生学・公衆衛生学
・関係法規
・解剖学
・生理学
・病理学概論
・臨床医学総論
・臨床医学各論
・リハビリテーション医学
・東洋医学概論
・東洋医学臨床論
・経絡経穴概論
共通科目以外 ・はり理論 ・きゅう理論

出典:第25回あん摩マッサージ指圧師国家試験はり師国家試験きゅう師国家試験受験案内|厚生労働大臣指定試験機関公益財団法人 東洋療法研修試験財団

はり師ときゅう師の試験を同時受験する場合、どちらか一方の共通科目の試験の免除を受けられます。出願の際に、きゅう師の願書の所定欄に「同時にはり師国家試験を受験したいので、はり師国家試験と共通科目の試験の免除を申請します」、はり師の願書には「同時にきゅう師国家試験を受験予定」と記入するだけです。

ただし、どちらか片方の国家資格を先に取得し、残りのもう一方を受験する場合には免除の対象になりません。

過去問題はどうやって手に入れる?

過去の試験問題は、東洋療法研修試験財団のWebサイトから入手できます。同サイトの「過去の国家試験問題等」のページにて、最近の5年分が公開されています。

また、国試黒本のサイトでも鍼灸師の過去問を公開しています。
第1回から第30回までの問題を公開しているので、よければ参考にしてみてください。
https://kurohon.jp/exams_hq/

加えて、市販の過去問題集を購入するのもよいでしょう。紙で確認したい方は以下よりチェックしてみてください!
https://kurohon.jp/ahaki_books

【2021年2月の試験に出題された問題】

共通問題 はり理論試験問題 きゅう理論試験問題
問題94 胸中に集まる気について正しいのはどれか。

1.発育を促す。
2.発声に関わる。
3.発汗を調整する。
4.栄養分をもつ。

問題164 特殊鍼法で水平に刺入するのはどれか。

1.円皮鍼
2.集毛鍼
3.皮内鍼
4.伮頭鍼

問題176 透熱伮による熱刺激の伝導路はどれか。

1.外側皮質脊髄路
2.外側脊髄視床路
3.腹側脊髄視床路
4.後索路

出典:過去の国家試験問題等|公益財団法人 東洋療法研修試験財団

同サイトには、このように過去に実際に出題された問題が詳細に掲載されています。ダウンロード・プリントアウトを行い、本番の試験に臨むつもりでぜひ挑戦しましょう。

出題傾向を探り、効率のいい試験勉強をするためにも過去問題は欠かせません。

これらの試験の過去問題は、「過去問題集」として出版されています。東洋療法研修試験財団の公開分よりも古い出題を知りたい場合は、こちらを参考にしましょう。

また試験対策のスマホアプリもあります。過去問題がさっと呼び出せるだけではなく、苦手な問題やもう一度取り組みたい問題などにチェックを付けられます。

通学時間などの空き時間に試験勉強を行いたいときにも役立ちます。

科目の多さは計画的な取り組みで乗り切ろう!

鍼灸師の国家試験は科目数が多いだけに、しっかりと計画を立てて取り組む必要があります。手付かずの科目や弱点のままの科目があると、それが足を引っ張って、合格ラインに届かないかもしれません。

まずは、どれだけ広い範囲から出題されているかを知るために、東洋療法研修試験財団のサイトから過去問題をダウンロードしましょう。

鍼灸師を目指す方向けの国家試験対策の教材も販売されています。日ごろは専門学校や大学での授業に力を入れ、試験対策ではこれらの教材も活用して、鍼灸師の国家資格取得を目指しましょう。

   

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