鍼灸師

鍼灸師の勉強は大変?国家試験へ向けた勉強法を解説

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鍼灸師は一般的に使用されている呼び方で免許証に記載される資格の名称は、はり師およびきゅう師です。そのため鍼灸師になるには、はり師およびきゅう師の国家試験を受験し2つとも試験に合格する必要があります。

試験に合格し晴れて鍼灸師になった後は様々な現場で活躍することができます。たとえば、街中にある近所の鍼灸院や鍼灸整骨院、訪問施術を行う会社やサービス付き高齢者住宅、大学病院等、あるいは独立開業をすることもできます。

筆者はこの記事の執筆時点で鍼灸業界9年目になり上記の現場での臨床経験や、都内で異なる会社の治療院の立ち上げを2回行うなど様々な現場で働いてきました。鍼灸施術は長く症状が続いている方へはもちろん、症状が起こる前に予防として施術を行うことも現場では多いです。

活躍の場が多い鍼灸師ですが、鍼灸師になるために避けて通れないのが、国家試験とそのための勉強です。ここからは勉強を始めるにあたっての現実をお伝えしていきます。

2022年3月末に発表された合格者数速報は下記のとおりです。

区分 受験者数 合格者数 合格率
はり師 3,982名 2,956名 74.2%
きゅう師 3,892名 2,963名 76.1%

上記からわかるように約4人に1人は不合格、または片方だけ合格した人も数%います。せっかく、鍼灸師になりたい!と志して学校に入学したのに不合格になることがないように、今回の記事では学校に入学後、合格するためのおすすめの勉強法を筆者の実体験に基づいて紹介していきます。

国家試験を受験するためには?

はり師およびきゅう師の国家試験を受験するには、高校を卒業後に文部科学省または厚生労働省に認可されている3年以上の専門学校、短大、大学のいずれかに通い学校から卒業見込み等の認定を受けること、となっています。

3年制の専門学校の場合、学校にもよりますが1年時と2年次の最後に次の学年に上がるための進級テストや、3年時の国家試験前に模擬試験等が行われることが多いようです。

年度末にその学年で学んだことの総復習となるテストですが、ここで合格できないと留年あるいは退学となるので日頃から予習や復習を習慣づけておく必要があるでしょう。また、国家試験前に行われる模擬試験は国家試験と同程度の難易度ですので、これに合格することが国家試験合格には必須となります。

そして例年、国家試験は2月末に行われるので翌3月半ばまでに学校側から卒業見込みの認定を受けることができる知識や技術を取得していることが求められます。

※はり師きゅう師の国家試験は学科のみなので、実技試験に関しては3年時に運転免許の試験のように学校内で行われることがほとんどです。

鍼灸師を目指すうえでおすすめの勉強方法

では、ここからは実際に学ぶ内容とおすすめの勉強方法①暗記系科目はこう覚える②理解が必要な科目は互いに教えあう、を紹介していきます。

3年間で学ぶ鍼灸師の学科内容は14科目

  • 医療概論
  • 衛生学公衆衛生学
  • 関係法規
  • 解剖学
  • 生理学
  • 病理学
  • 臨床医学総論
  • 臨床医学各論
  • リハビリテーション医学
  • 東洋医学概論
  • 経絡経穴概論
  • 東洋医学臨床論
  • はり理論
  • きゅう理論

※基礎科目受講対象者について

科目受講者は簡単に言うと、鍼灸学校に入学する前に、専門学校、短期大学、4年生大学、大学院を卒業していない場合が受講の対象となります。

基礎科目の内容は、学校によって内容が変わることがあるようですが、医療英語や中国語、人文科学、心理学、社会学、古典、栄養学といった授業があります。

3年間で学ぶ科目数がとても多いので、勉強は入学から卒業まで右肩上がりで大変になっていく傾向がありますが、ここからは効率よく学科を学ぶ方法を筆者の実体験に基づいて紹介していきます。

1.暗記系の科目はこうして覚える!

科目数が多いのでまずが暗記を中心に勉強をする科目と理解をしながら勉強をする科目で分けて勉強をしていくことが最初はお勧めです。

たとえば、関係法規は国家試験合格後に独立開業等する場合に必要となる法律の知識を学びます。

また、経絡経穴概論はいわゆるツボを学びます。WHO(世界保健機関)で認定されているツボの数は361個あり、授業ではこれをすべて覚えることになります。多いですよね!ただ、日本で行われている鍼灸施術は治療法が非常に多く、その流派によってツボの位置が微妙に違ったり、独自のツボを使う流派もあるので、実際に覚える数はこれ以上と思っておいたほうが良いでしょう!

科目数が多いため授業以外の時間にどの科目をどの時間に学ぼうか迷うことも多いと思います。もちろん、学校生活以外にも仕事やプライベート等他にもしたいことがあるかと思いますので、より効率よく勉強をできるようにしましょう。

暗記系の科目に関しては、記憶のゴールデンタイムと言われる時間帯が午後10時から午前2時の間と言われているので、効率よく暗記をするためには夜寝る前に詰め込んで勉強し、そのまま寝てしまう方法がおすすめです。

また、寝ている間にその日に覚えたことを脳が整理して定着させてくれるので、十分な睡眠時間も必要です。夜更かしはほどほどにしましょうね!

朝起きたら、記憶した情報をアウトプットできるように簡単な確認テストを行えば完璧!そして覚えられなかったところを学校に向かう電車の中や授業前などのスキマ時間に学べば復習も簡単にできます!

でも、テストまでするのが面倒…なんていう日も出てくるかと思います。そういう時は教科書を開いた状態ですぐ見れるようにしておくなど、遠目でも構わないので眺めるようにしましょう。

実は記憶の定着には繰り返し情報を出し入れする必要があります。学科で使う教科書は分厚いものが多いですが、筆者は覚えるツボの数が多い膀胱経や胃経のページは教科書をバラバラに分けていつでも確認できるように常に持ち歩いていました。

もちろん、アルバイトや友達と遊びに行ったりと他のこともしていたので、疲れていて集中できないときもありました。そんなときでも、ただ、ぼーっと眺めて情報を頭に取り込むだけでも効果はあります。

それも面倒!という方はコピーをしていつでも確認できるように自宅のトイレや壁に貼っておきましょう!

2.理解が必要な科目は互いに教え合う

生理学や東洋医学に関しては理解をすることが必要になります。

お腹が痛いと言っている患者さんがいた場合、体の中で何が起こっているのか?そうなった原因は何だろう?と考えつつ、施術方針やそもそも鍼灸施術の適応なのだろうか?といったことを考えるのに必要な科目です。

特に、東洋医学は学んだことがない方にとっては独特の考え方であり最初は戸惑うことがあるかと思いますが、変にこれってどういうことだろう?と考えると余計理解をしづらくなってしまう傾向があるので、そういうもんなんだ?と開き直ってまずは覚えてしまうのが良いと思います。

そして覚えたうえでその知識を実際の症状に当てはめてみること。たとえば、自身が花粉症であった場合、脈は?舌は?鼻水は水っぽい?その量は?etc…。

学習効果を高める方法として効果が高い順に紹介していくと、①教える②体験する③討論する④レポートを書く⑤視聴覚⑥講義を聞くの順番になります。実は学校の講義を聞くだけで記憶を定着させることはかなり難しいのです。

筆者は試験前2~3週間くらい前になると、授業前や授業後にクラスメートで集まり苦手な科目や特定の範囲に関してお互いに5分程度のプレゼンを行う、名付けて『俺の〇〇』という自主勉をおこなっていました。

間違った内容を伝えてはならないので事前に復習もできますし、もし間違えていたとしても必ず指摘をしてもらえるので理解を深める、知識を整理し理解する方法としてお勧めしたい勉強法です。

上手な友達のプレゼンはその都度、動画を取らせてもらい後でクラスのラインで共有させてもらったりなんていうことを当時はしていました。

まとめ

はり師きゅう師試験の直近の合格率が約75%ということを考慮すると入学すれば試験に合格できるわけではありません。しかし、覚える科目と理解する科目を分けて効率よく学べば、学習が進むにつれてそれぞれの知識がつながってくるのでより理解が進みます。

決して簡単ではありませんが3年間あるいは4年間しっかりと学んで合格を勝ち取れるように日々勉強を行いましょう。

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