整骨院と接骨院の違いはなに?整体院や整形外科との違いも解説
キャリア・働き方
柔道整復師
整骨院と接骨院どちらも名前を耳にするけど何が違うのでしょうか?
身体の痛みや疲れがあるときに施術を受ける治療院には、整骨院や接骨院、整体院、整形外科、カイロプラティックなど様々な種類がありますが、それぞれどのような特徴があるのかわかりづらい人もいるのではないでしょうか。
整骨院・接骨院をはじめ、あん摩・指圧・マッサージ師の施術所、整体院など、いわゆる治療院と呼ばれている施設は、全国で約15万店ほど存在しているようです。
本記事では、整骨院や接骨院などの治療院の違いについて解説しています。
それぞれの治療院の違いについて理解し、患者様に適切なアドバイスができるように、違いをしっかりと理解しておきましょう。
整骨院と接骨院に違いはない
「整骨院」と「接骨院」は呼称が異なるだけで、どちらも柔道整復師が開業した施設です。院で行われる施術に大きな違いはありません。
ちなみに、法令上で使用が許可されている名称は「接骨院」もしくは「ほねつぎ」「柔道整復院」などです。(柔道整復師法第二十四条第一項第四号の規定に基づき、柔道整復の業務又は施術所に関して広告し得る事項)
したがって、厳密にいうと、整骨院と看板を掲げることは違法になります。しかし、行政上の判断で、整骨院も許可されることが多くなっています。
一方で今後は「接骨院」の名称に統一していくと良いのではないかといった議論も行われていたりしていたりもします。
施術内容と保険適用範囲
整骨院・接骨院で受けることのできる施術内容についてみていきましょう。
整骨院・接骨院は、骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷(肉離れ)対して、「整復」「固定」「後療法」を施すことで、患部の自然治癒力を高めていきます。
- 整復:折れた骨や、外れた関節を正しい位置に戻します
- 固定:包帯やバンテージ、ギプス、シーネなどで患部を固定します
- 後療法:超音波、電気、手技施術などによって患部の血行を促進し、組織の修復力を高めていきます
骨折、脱臼に関しては初回の応急処置のみ保険適用です。
整骨院・接骨院では健康保険が使うことができますが、すべての施術で使うことができるわけではありません。整骨院・接骨院で健康保険を使うことができるのは、打撲やねんざなどの急性のケガ、骨折、脱臼などの応急処置など原因のはっきりしているケガやスポーツでの肉離れなどに限られ、慢性的な肩こりや日常的な疲労に対する施術には適用されません。
整骨院・接骨院と整体院との違い
整骨院・接骨院と整体院の違いは何でしょうか。
整体院では整骨院・接骨院とは違い、国家資格を持っていない人でも施術を行うことができます。整体院で柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師の資格を持った人が勤務していることもありますが、学校に通って専門知識を学習しなくても取得できる民間資格しか持っていなかったり、無資格の人も施術を行っています。
また整体院の施術内容ですがケガに対する施術はできず、健康保険は適用されません。「この施術を行う」といった決まったものがあるわけでもありません。
リラクゼーション目的のもみほぐしや、美容目的の骨格矯正、腰痛、肩こり改善のための施術など、院によって施術のやり方や方針には違いがあります。
ちなみに、「マッサージ」という名称はあん摩マッサージ指圧師の資格を持っている人のみが行うことができるため、「整体院」と「マッサージ」は別のものであるということも注意しておきましょう。
整骨院・接骨院と整形外科の違い
整骨院・接骨院と整形外科の違いが判らないという人もいるかもしれません。
整形外科は医師の開業している病院の一種で、レントゲンやMRIなどの医療機器を用いて精密検査をすることが可能です。また、飲み薬の処方や注射、手術などを行うこともできます。また、整骨院・接骨院では保険適用外となる慢性的な肩こりなどの症状でも健康保険を使用することができます。
整骨院・接骨院は医療機関ではないため、レントゲンによる画像診断、診断書の発行、薬の処方などは行えません。
「整形外科は診断を受けて薬をもらう場所」「整骨院・接骨院は手当てをしてもらえる場所」と考えれば分かりやすいでしょうか。
整形外科では手術が必要となる場合を除いて、診断や投薬のみで診療が終わってしまう場合も多く、整骨院・接骨院と比べて時間をかけて施術を受けるといったことは少なくなるでしょう。
手技(もみほぐし、骨格矯正など)や物理療法(電気)といった施術をメインに受けたい場合は、整骨院・接骨院が適していると考えられます。
カイロプラティックとの違い
カイロプラティックとは、主に背骨の骨格のゆがみを手技によって調整して整えることで神経の働きを回復させるヘルスケアです。骨格の矯正によって、体の自然治癒力を高めていく施術方法になります。(ボキボキと関節を鳴らすこともあります)
カイロプラティックを行う人は、国によってはWHO(世界保健機関)のガイドラインに準拠した教育を受けて資格を取得する必要があります。しかし、日本ではカイロプラティックの資格に関しての法的な制限がないので、WHOのガイドラインに則った教育を受けずにカイロプラティックを行っている人もいるので注意しましょう。
整骨院と接骨院の違いまとめ
ここまで「整骨院と接骨院の違い」について解説してきました。これまでの内容をまとめると以下のようになります。
- 整骨院と接骨院は呼称が異なるだけで、施術内容に大きな違いはない
- 整骨院と接骨院は、両社とも主に柔道整復師が施術する
- 整骨院・接骨院は保険診療が可能であるが、整体院やカイロプラクティック院での施術は保険適用外
- 施術がメインとなる整骨院・接骨院と異なり、整形外科は医師による診断と薬の処方がメインになる
「怪我の処置をしてほしい」「診断してほしい」「もみほぐしてリフレッシュしたい」など、患者様の要望によって、どの治療院が適しているかが変わってきます。
整骨院・接骨院、整体院、整形外科の各々の違いをしっかりと理解しておきましょう。