黒本を購入する

あん摩マッサージ指圧師として開業するまでの流れは?

あん摩マッサージ指圧師としての一つのゴールとして開業があります。
独立開業権があるからこそフォーカスされがちですが、開業に至るまでにはしなければならないことがたくさんあります。
開業までの流れをまとめてみました。

あん摩マッサージ指圧師として開業するまで

あん摩マッサージ指圧師として地域医療に貢献し保険に従事することは、国民の疾病を癒しひいては国を癒すことに繋がります。
伝統あるすごい手技を用いて、多くの人に寄与するためにもまずは最低限しなければならないことを確認しておきましょう。

国家試験に合格する

当然ながらまずはあん摩マッサージ指圧師として開業するには国家資格を得る必要があります。
最低でも3年間養成学校にて学ぶ課程を経たのち、年に1度行われる国家試験に合格し、登録して初めてあん摩マッサージ指圧師として業を行うことが出来るようになります。

言い換えるならばあん摩マッサージ指圧師になりたいと思っても、どれだけ早くてもあん摩マッサージ指圧師になれるのは3年後ということです。
開業をすることがゴールの場合、学校に通い、国家試験に合格することが一番高いハードルかもしれません。

研鑽を積む

あん摩マッサージ指圧師は厚生労働大臣が定める医療資格の一つです。
日々臨床現場において患者さんの悩みに対してあん摩マッサージ指圧術を用いて施術する中で、最新の医学の情報を元にアプローチすることが求められます。
より正確に、詳細に明らかにされた医学情報等を収集し、それらを元に自分のアプローチはどうあるべきか、また何が必要か・足りていないのかを鑑みて自己研鑽を積む必要があります。
一つ一つは小さな積み重ねではあるものの、小さな積み重ねが細かく増えるとどうしても溜め込みがちになります。
しっかりとサイクルの中で自己研鑽に変えていき、また過去に学んだ知識との違いのアップデートを行う必要があります。

就職して学ぶ

多くの場合は資格を取得後に治療院に就職します。いざ資格を取ったとて臨床歴としてはまだ始まったばかりであることから、実際の現場で臨床経験を積みながら技術の研鑽を行いつつあん摩マッサージ指圧師として成長していきます。
また大手治療院では研修制度がしっかりしていることから、効率よく技術を身につけるために就職する人も一定数います。
ある程度成長し、一人で多くの疾病に対応できるようになった後、資金が溜まってから開業するのが良く見られる流れです。
もちろん卒業後にすぐ開業する人もいます。

セミナーに参加して学ぶ

日々新しいことが明らかにされる医学の分野において、その多くの情報を一人で網羅するのは並大抵のことではありません。また一度勉強して技術として身につけても触れなければ忘れていってしまいます。
これらを補うようなセミナー、いわゆる勉強会が各地で開かれています。
あん摩マッサージ指圧師としての志をともにする人たちと、学びを深めることはモチベーションに繋がると同時に、各々が持ち合わせる経験や技術からの意見や視点など異なった角度からも発想を得られることがあります。
全てがセミナーで得られるわけではありませんが、これまでの学びや経験の+αとしての活用や、友達や仲間を作るのには最適かもしれません。
またオンラインセミナーであれば、時間にとらわれず学べるのは魅力のひとつではないでしょうか。

 

開業に必要なもの

いざ開業という場面において、今すぐに出来るかというとそうではありません。
法律の要件を満たして適切な開業を目指しましょう。

法規要件を満たす

あん摩マッサージ指圧師として治療院を開業するには、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律施行規則に定められている要件を満たす必要があります。

(届出事項)
第二十二条 法第九条の二第一項前段(法第十二条の二第二項において準用する場合を含む。)の規定により届け出なければならない事項は、次のとおりとする。
一 開設者の氏名及び住所(法人については、名称及び主たる事務所の所在地)
二 開設の年月日
三 名称
四 開設の場所
五 法第一条に規定する業務の種類
六 業務に従事する施術者の氏名及び当該施術者が目が見えない者である場合にはその旨
七 構造設備の概要及び平面図

また併せて構造設備などは以下の通り定められています。

(施術所の構造設備基準)
第二十五条 法第九条の五第一項(法第十二条の二第二項において準用する場合を含む。)の厚生労働省令で定める基準は、次のとおりとする。
一 六・六平方メートル以上の専用の施術室を有すること。
二 三・三平方メートル以上の待合室を有すること。
三 施術室は、室面積の七分の一以上に相当する部分を外気に開放し得ること。ただし、これに代わるべき適当な換気装置があるときはこの限りでない。
四 施術に用いる器具、手指等の消毒設備を有すること。

これらの法的要件を一つでも満たさないと届出は不受理となります。
特に店舗を構えて開業を考えている場合は注意が必要です。
平面図ではベットの配置やドアの位置、待合室と施術室の位置関係なども明確にする必要があります。

一方で専ら出張のみでの開業を考えている場合は、出張届出を提出することで開業することが出来ます。

開業時にはあん摩・マッサージ・指圧のどの業種を行うのかまで問われます。
どのような形で開業するかによっても準備すべき事項が変わるので気を付けましょう。

集客・告知媒体の準備

いざ開業をしたとしても多くの人に知ってもらわなければ、どれだけ素晴らしい技術を持っていたとしても、地域に還元するこは出来ません。

あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律では広告できる要素について以下の通り定められています。

第七条 あん摩業、マツサージ業、指圧業、はり業若しくはきゆう業又はこれらの施術所に関しては、何人も、いかなる方法によるを問わず、左に掲げる事項以外の事項について、広告をしてはならない。
一 施術者である旨並びに施術者の氏名及び住所
二 第一条に規定する業務の種類
三 施術所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項
四 施術日又は施術時間
五 その他厚生労働大臣が指定する事項
② 前項第一号乃至第三号に掲げる事項について広告をする場合にも、その内容は、施術者の技能、施術方法又は経歴に関する事項にわたつてはならない。

治療院の壁に情報を掲載したり、施術名や住所などは最近だとgoogleに店舗情報を登録することが出来たりと、色々と活用できるサイトが多数あります。
最近ではこの広告に関して「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会」が厚生労働省主導のもと行われています。
まだ結論は出ていませんが、広告の法規に触れない範囲で適切に広告を行うことで、地域の方へ認知を広げましょう。

まとめ

あん摩マッサージ指圧師のキャリアの一つ開業について概要を触れてみました。
開業以外にも活躍できる幅はたくさんあります。
法規を理解したうえでクリーンな開業を目指して研鑽を続けてみてはいかがでしょうか。

【参照URL】
あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律施行規則
あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律
あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会

関連記事

鍼・灸・あん摩マッサージ指圧師編/柔道整復師編
国試黒本の購入はこちら

購入ページへ