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手に職!あん摩マッサージ指圧師を目指す方必見、向き不向きとは?あん摩マッサージ指圧師とは!

この記事に辿り着いたということは、少なからずあん摩マッサージ指圧師のお仕事に興味をもっているかと思います。
ここではあん摩マッサージ指圧師ってなんだろうという素朴な疑問から、どんな人があん摩マッサージ指圧師を職業にしているのか、または向いているのか向いていないのかをご紹介します。

あん摩マッサージ指圧師とは

あん摩マッサージ指圧師ってなに?

端的にいうと「手当て」とも呼ばれる手法で、
専門的な知識や技術をもって、患者様に触れて治す医療技術職の一つです。

ところで、みなさんは小さい頃にけがをしたことはありますか?
けがをしたときに「痛いの痛いの飛んでいけ~☆」といった魔法の呪文を聞いたことはありませんか?
それが魔法なのかどうかはさておき、「手当て」はそこから来ているとも言われています。

みなさんの中には「そんなので痛いのが飛んでいくわけがなかろう」と冷めた目で見ている方もいらっしゃるかもしれません。
端的にまとめると、患部に手を当てて(持続的に)さすることで脳に伝達された痛みの信号が抑制され、結果的に痛みが抑制されると考えられています。

まさに魔法の呪文における「手当て」は、実は理に適っています。
ではそんな手当てを行う、あん摩マッサージ指圧師の技術とは何かというと、主に「おし、もみ、さすり、たたき、振るわせ、引っ張る」といった刺激を与えることが目的となります。

これらの手技により健康力増進と免疫力を高めることを目的としています。

普通のマッサージとは違うの?

あん摩マッサージ指圧師の手技は大きく分けて
「あん摩」「マッサージ」「指圧」といったこの3つの手技に分けられます。

あん摩の基本7手技
「軽擦法」
「揉捏法」
「叩打法」
「圧迫法」
「振せん法」
「運動法」
「曲手」
マッサージの基本6手技
「軽擦法」
「強擦法」
「揉捏法」
「叩打法」
「振せん法」
「運動操作」
指圧の基本2手技
「押圧操作」
「強擦法」

とされています。
これらの基本技術を軸に、各手技において更に細分化した技術を患者さんに提供する、奥深い仕事です。

実際、教科書には以下のように記載されています。

按摩の按は『按摩手引』によると「おさえること」で瀉法を意味し、按摩の摩は「なでること」で補法を意味するという記載もある。
すなわち東洋医学の基本的な理念である虚実に対する補瀉であり、鍼灸、湯薬とともに医療施術として発達してきたものである。

–あん摩マッサージ指圧理論第3版より引用

と記載があり、あん摩マッサージ指圧師である私たちは医療施術として技術を提供し、患者さんを相手に施術をします。

いわゆる「リラクゼーション」と圧倒的に異なるのは「リラクゼーション」は医療施術ではないということです。
技術の体系からも「リラクゼーション」とは明らかに異なる側面が明確化されいると考えられますが、単純にお客様を癒すだけであれば国家資格は必要ありませんし、医療施術でもないのです。

一方で「あん摩」「マッサージ」「指圧」を用いる場合にはリラクゼーションであろうと医療施術であろうと国家資格は必須となってきます。

第一条 医師以外の者で、あん摩、マツサージ若しくは指圧、はり又はきゆうを業としようとする者は、それぞれ、
あん摩マツサージ指圧師免許、はり師免許又はきゆう師免許(以下免許という。)を受けなければならない。

–あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律より引用

 

あん摩マッサージ指圧師になりたい!

向いているひとって?

あん摩マッサージ指圧師になりたい!と思った方の次の疑問は「どんなパーソナリティを持つ人があん摩マッサージ指圧師の仕事をしているのか」「自分が向いているのか」ではないでしょうか。

あくまで一個人の私的な意見としては、「癒すのが好きな人」「向上心のある方」などのパーソナリティを持つ方が向いているのではないかと思います。
患者さんの「ありがとう」がやりがいに繋がる、努力を惜しまない人というのは素晴らしい施術者になれるのではないでしょうか。

厚生労働省の職業情報提供サイトでは、「仕事の価値観」などが数値化されており、どのようなパーソナリティを持つ人物があん摩マッサージ指圧師の仕事に従事していて、何を感じているかというのが具体的に可視化されています。
その数値を参考にしても、「仕事の価値観」「専門性」が一番高い数値となっていることから、
確かな技術を学び更新していくことに負荷を感じない方が向いているといえます。

実際に患者さんとして治療院に施術を受けに行った際、その場しのぎのマッサージではなく根本的に原因を解決してもらえたら
その施術者に対して「信頼」が生まれませんか?
あん摩マッサージ指圧師は、知識や技術次第で「信頼」を勝ち取っていくことができます。

ただマッサージをするだけでは限界があります。
どういうメカニズムで筋肉がほぐれるのか、施術をおこなうことで身体にはどんな反応が起こるのかなど探求心のある方も技術を身につける上で重要なポイントです。

向いていないひとって?

一方で「精神的に弱い方」「感情移入し過ぎてしまう方」は患者さんの空気に飲み込まれてしまい、身体的に影響が出てしまうかもしれません。
つまり、心の強さが必須になってくるのではないかと考えます。元気がなさそうな施術者に施術してもらうのはなんだか不安ですよね。

患者さんは身体のどこかに不調があり、それを「なんとかしたい」という気持ちで来院されます。
その患者さんを取り巻く「気」は良好ではないと考えたほうがよいです。

私たちはその「気」を代わりに吸収してしまうということを留意しておきましょう。
患者さんの「気」を吸ってもそれをはねのける強さと生命力を持っていれば、患者さんも安心でき、施術者も元気のままです。

例えるならば、アンパンマンというアニメがありますが、彼はどんなに身を呈しても元気100倍です。
ボロボロになったら新しい顔がもらえるという裏技はありますが、悪い菌もはねのける力を持っています。

いずれにせよ、心身ともに健康なことは本当に大事なことであり、自分はどうなのか苦にならないかをよく考えてみてください。

また、治療院によっては完全に肉体労働で次から次へと患者さんの施術にあたり、ずっと手を動かしているという状況になります。それに伴い指はどんどん強くたくましくなっていきます。
手技によりますが、母指と呼ばれる親指は太くなってしまう可能性は高いです。

当たり前ですが、指の力で患者さんの身体に圧を入れるわけではなく、体重移動で圧をいれていく手法になります。
それでも母指圧をかける際には母指に負担がかかります。

最初からうまく体重圧で患者さんの筋肉にアプローチできることはよほどセンスがない限り難しいです。

ちなみに、未経験者がすぐに患者さんの施術を任されるということはなく、きっちりと研修をおこなってから最終チェック後独り立ちとなります。
そうして母指を酷使していくと炎症がおこるのでたくましくなっていくというわけです。
指の細さを保ちたいという方がいたらそのような方にとっては向いていない職業かと思います。

また、ネイルや過激なヘアカラーもNGです。
クリアネイル且つ短い爪ならギリギリ大丈夫かもしれませんが、爪はすぐに伸びてしまうのですぐに爪をカットして整えることになります。
適切な爪の長さは、指の腹をみたときに爪が見えないくらい短くカットするのが常です。

ヘアカラーもセーラームーンのような色は絶対NGです。
あん摩マッサージ指圧師はある程度年齢を重ねてからでもなれるので、もしセーラームーンになりたい夢があるのであれば、そちらの夢を優先してからでも遅くありません!

その他にも挑戦したいことがないか今一度考えてみましょう。そのあとであん摩マッサージ指圧師になるのでも遅くはないはずです。

治療院によっては朝早くから出勤したり、拘束時間が長かったり、終業後や休業日に勉強会をおこなう場合や、休憩時間にオンラインで学習ができるコンテンツで動画などを用いて学習することもあるかもしれません。

このように自分の時間が思っているよりも削られるケースがあります。
いずれにせよ技術を身に着けたいという強い意志と、体力的なタフさが求められる場面に出くわす場合もあるので、心身ともに良好でいることはとても重要です。

もちろん自分のペースに合った治療院も存在しますが、「知識を更新し続ける」、忙しい日は「患者さんを施術し続ける」といった根本的なところはどの治療院も同じであり、これらは独立して開業したとしてもあまり大きく変わることはないかと思います。

よって、向上心を持つこと含め「心身ともに健康であること」は大事であると考えます。

まとめ

コミュニケーション能力が鍵?!

では、結局どのようなひとが向いているのでしょうか。
厚生労働省の職業情報提供サイトによると、「傾聴力(4.7/7)」「説明力(4.1/7)」「他者の反応の理解(4.2/7)」のスキルが上位で3つ挙げられています。
言い換えれば「共感する心」「確かな技術力」「人間性」などが評価されるということではないでしょうか。
患者さんに寄り添い状態を把握し、患者さんにとってベストな施術を考え、患者さんに触れるという流れの中で患者さんの心の扉を開ける必要があるということです。

施術者が人間ならではであることはまさに患者さんと心を通わせることにあり、それが必要ないのであればロボットに施術されるのでも良いのではないでしょうか。

一方で心の扉を開くことが出来るようなコミュニケーション能力を身につけた施術者は、患者さんが抱える身心の不調を取り除くきことができ、そばに寄り添いながら生涯の伴走者として患者さんの人生に寄与し続けることが出来るでしょう。


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【参照URL】
e-GOV あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律
・あん摩マッサージ指圧理論第3版 公益社団法人東洋療法学校協会編 教科書執筆小委員会著
厚生労働省 職業情報提供サイト jobtag

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