あん摩マッサージ指圧師の資格は何が出来る？

業界動向・知識

あん摩マッサージ指圧師

あん摩マッサージ指圧師とは

あん摩マッサージ指圧師とは「あん摩」「マッサージ」「指圧」をの手技を用いて患者さんの愁訴や不調を治す仕事です。
厚生労働省の職業紹介サイトjobtagでは”体の痛みやこりなどの症状を訴える人たちに対して、主に手や指などを用いて押し・揉み・叩きなど力学的な刺激を身体に与える指圧・マッサージにより身体のこりをほぐし血行を良くしたり、脊椎のゆがみを矯正することにより、症状の緩和・改善、体力回復、健康増進を図る。”と紹介されています。

またあん摩マッサージ指圧師は厚生労働省が管轄する医療系国家資格の一つです。
あん摩マッサージ指圧師になるには、文部科学省または厚生労働省が規定した養成施設にて就学する必要があります。
期間は最低でも3年間で基礎医学から臨床医学まで幅広く学んだ後に、国家試験に合格することであん摩マッサージ指圧師になることが出来ます。

整体との違いは

あん摩マッサージ指圧師と整体の違いの一つとして国家資格であるかが挙げられます。
あん摩マッサージ指圧師は国家資格であり、取得するには最低でも3年以上既定の施設で就業し、最終的に国家試験に合格する必要があります。
整体は民間資格であり、その習得までの課程はまちまちです。
2-3カ月かけて学ぶところもあれば1日、場合によっては登録するだけで名乗れるなど、質も内容も様々です。

あん摩マッサージ指圧師の手技

あん摩マッサージ指圧師の技術は「あん摩」「マッサージ」「指圧」の3つで構成されています。
全日本鍼灸マッサージ師会によると、あん摩・指圧が経穴（ツボ）経絡（ツボとツボを結ぶ線）を意識して施術するのに対し、フランスから伝わったマッサージは、リンパ・血液の流れ・筋の走行に従って施術する。
とされています。

あん摩マッサージ指圧師の勤務場所

患者さんの身体に触れ”揉む”、”さする”、”叩く”などの手技を用いて治療を行うあん摩マッサージ指圧師の活躍場所は多岐に渡ります。
特に超高齢社会においては医療機関を越え、介護施設などでも活躍していることから、社会的に求められている職業の一つとして考えても良いのではないでしょうか。

マッサージ院・鍼灸マッサージ院

あん摩マッサージ指圧師は独立開業権を持っており、地域保険を担う一つの職業として自身で治療院を開業することが出来ます。
まさに街中にあるマッサージの表記はあん摩マッサージ指圧師がいることを示しています。
また、あん摩マッサージ指圧師と隣接する資格として、同時に取得できる鍼灸資格があります。
そのことから鍼灸院にもあん摩マッサージ指圧師の資格を所持した人がおり、併せて開業している場合もあります。

注意すべき点は、「もみほぐし」などを謳いあたかもマッサージと誤認させるような看板や謳い文句を掲載している場所がありますが、それらの多くが整体であり、実態はあん摩マッサージ指圧師法に違反した店舗であるので注意が必要です。

病院

病院においてもあん摩マッサージ指圧師として活躍する人がいます。
クリニックであれば、整形外科やリハビリテーション科などで勤務することが多いです。
あん摩マッサージ指圧師は、理学療法士の資格の前身資格でもあるので、親和性が高く活躍しやすいのではないでしょうか。
また数は多くないですが病棟においても活躍している人はいると聞いたことがあるので、他の医療職と同じく、包括的な医療システムにおいて活躍できるのではないでしょうか。

介護施設

あん摩マッサージ指圧師になると、機能訓練指導員として従事することが出来ます。
主な業務としては通常のリハビリテーションとは異なり、日常生活に着目した生活機能の維持などが目的となります。
デイサービスなどにおいて介護職員と共に福祉の側面から生活を支えることは、医療とは異なった環境で活躍することが出来るのは魅力の一つではないでしょうか。