黒本を購入する

ダブルライセンスのメリットは?柔道整復師と鍼灸師の2つの資格で就職の幅が広がる

柔道整復師と鍼灸師、どちらのライセンスも獲得することをダブルライセンスといいます。幅広い知識を持った治療家を目指す学生が知っておきたい、ダブルライセンスのメリットやダブルライセンスの獲得方法について解説します。

ダブルライセンスは2つの資格を所有すること

治療家においてのダブルライセンスとは、柔道整復師と鍼灸師の2つの資格を所有していることを意味します。柔道整復師と鍼灸師の両方の資格を所有することで、実務においてより幅広い知識を持って患者の治療を行えるようになります。

しかしこの2つの資格を取得するためには、一般的には計6年の期間を要します。柔道整復師と鍼灸師それぞれ資格取得までに通常3年程度の時間が必要になるためです。また、2つの資格を取得する場合、資格取得にかかる費用も大きくなります。

柔道整復師と鍼灸師の資格取得における違い

柔道整復師と鍼灸師のダブルライセンスを取得するにあたり、それぞれの資格取得に必要な期間と費用は次の通りです。

【柔道整復師と鍼灸師の資格取得にかかる期間と費用】

柔道整復師 鍼灸師
資格試験の名称 柔道整復師国家試験 はり師・きゅう師国家試験
資格取得までの年数 最短3年 最短3年
学費の相場(専門学校) 300万円~500万円 300万円~400万円

柔道整復師または鍼灸師になるためには、専門学校や短大・大学で学問と技術を学び、国家試験の受験資格を取得する必要があります。

そこから国家試験に挑戦し、無事合格した方が柔道整復師や鍼灸師として活躍できます。

柔道整復師と鍼灸師の両方の資格を1つずつ取得しようとすると、専門学校等に6年以上通い、600万円からの学費を用意することとなります。

ダブルライセンスのメリット

このようにダブルライセンスは多くの時間と費用を必要とします。しかし、2つの資格を保有する治療家になることで次のようなメリットを得られます。

知識や技術の多い治療家になれる

資格取得後、就職先にはさまざまな悩みを抱える患者が訪れます。その際、多くの知識と技術を持つ治療家であれば、患者によりよい治療方法を提案できるようになるでしょう。

より幅広い疾患に対応できるようになる

柔道整復師は、捻挫や打撲、骨折、脱臼などケガの治療を主に行います。その他、運動療法や運動指導、リハビリテーションの指導も行うのが特徴です。

鍼灸師は、鍼または灸を使い自然治癒力を高め、病気の予防や治療を行います。副作用が少ないことから、子どもから高齢者まで幅広い患者に施術できるのが特徴です。

このように、柔道整復師と鍼灸師は用いる治療法が異なります。異なる資格を持つことで治療の幅が広がり、1人でより多くの疾患に対応できるようになります。

就職や開業で有利になる

一般的に、資格を所持していることは就職や開業の際に有利に働きます。所有する資格が多ければ、就職活動の際により多くの治療院に対してアプローチできるでしょう。

一般的には資格を所有する者に対して、資格ごとに手当てを支給する場合が多いのですが、なかには柔道整復師と鍼灸師のダブルライセンスホルダーに、ダブルライセンス手当を用意する会社もあります。より有利な条件での就職を目指すために、ダブルライセンスを目指す方もいるでしょう。

また、ダブルライセンスを取得していれば独立開業の際にも、有利に働くかもしれません。資格の多さが患者様からの信頼度を高めてくれる可能性があります。また、柔道整復師と鍼灸師の両方の治療を施せるため、対応できる患者様の範囲も広がります。多くの患者様を受け入れられることは治療院経営を早期に安定させることにつながるかもしれません。

時間と学費の節約ができる

2つの資格を同時に取得できる学校に通えば、それぞれの資格を取得するためにかかる時間と学費を節約できます。より効率よくダブルライセンスを獲得したいのなら、柔道整復師と鍼灸師の資格を同時に取得できる学校への入学を検討しましょう。

 

ダブルライセンスを取得するために

2つの資格をより効率的に取得したいのなら、ダブルライセンスを同時に獲得できるコースを用意する学校に通うといいでしょう。また、1つの資格を取得して就職したのちに、働きながらもう1つの資格を取得する方法も考えられます。

ダブルライセンスに対応する学校を選ぶ

柔道整復師と鍼灸師の資格を同時に取得できる学校のほとんどが、専門学校です。大学の場合、柔道整復師と鍼灸師の資格を取得する場合、専門学校よりも長い期間がかかるか、大学を卒業したのちに別学科に編入するか、専門学校に編入して鍼灸師の資格取得する道が用意されています。

働きながらダブルライセンスの取得を目指す

1つの資格を取得したのち、働きながらもう1つの資格取得を目指す方法もあります。治療院で働きながら、日中に学校に通うケースが一般的です。

ダブルライセンスの取得にかかる期間と学費

ダブルライセンスの取得にはどのくらいの期間と学費がかかるのでしょうか。学校によってダブルライセンスの取得方法や期間に違いがある点に注意が必要です。

同時に取得すれば最短3年

専門学校で2つの資格の習得にかかる期間は最短で3年、最長で6年が一般的です。

【ダブルライセンスを取得するまでの期間の例】

 ダブルライセンスを取得するまでの期間の例

(画像=ダブルライセンスを取得するまでの期間の例)

参考:専門学校で資格取得を目指す場合の例(学校法人平成医療学園 平成医療学園専門学校「HEISEIのダブルライセンス」から編集部作成)

最短の3年でダブルライセンスを取得するためには、柔道整復師と鍼灸師の資格取得のための学習を同時に進行しなければなりません。短期間で取得できますが、勉強が大変に感じる方もいるでしょう。

国家試験を受ける時期を1~2年ずらして、4~5年でダブルライセンスを目指す方法もあります。こちらの場合、学習期間の前半と後半はどちらか1つの資格取得のための勉強に専念できるため、学習にかかる負担が軽減されます。

専門学校でダブルライセンスを目指す場合は、最長で6年を要します。どちらか1つの資格を取得してから次の資格に向けた勉強をスタートするので、1つずつの資格に対してじっくりと勉強に取り組めます。

※4年制の大学で1つめの資格を取得したのち専門学校に編入してもう1つの資格を取得する場合は、ダブルライセンスの取得にトータルで7年の期間を要します。

ダブルライセンスで学費を免除する学校もある

2つの資格を同時に取得する場合、入学金や授業料の一部または全部を免除する学校もあります。

【ダブルライセンスで免除される学費額の例】

柔道整復師+鍼灸師
資格取得にかかる学費
A校 B校 C校
通常の学費(6年) 390万円 380万円 680万円
減額された学費(3年) 180万円 280万円 490万円
差額 210万円 100万円 190万円

上表をご覧ください。この3つの学校では、3年間で2つの資格を取得する場合に学費の一部を免除する制度を用意しています。ダブルライセンスを取得する学生に対して学費の一部を免除する制度を用意する学校のなかには、定員を設けている学校もあるため注意しましょう。

さらに、2つのライセンスのなかで重複する科目に対しては、2度履修せずとも単位を認定する制度を用意する学校も多くあります。また、他校からの編入でダブルライセンスの取得を目指す学生に対しても、学費を免除する制度を設けている学校もあります。

柔道整復師と鍼灸師それぞれと相性がいい人気の資格

ダブルライセンスは「柔道整復師と鍼灸師」のセットに限ったものではありません。柔道整復師と鍼灸師、それぞれと相性がいい人気の資格を紹介します。

柔道整復師を目指す方に人気の資格

柔道整復師の資格とあわせて持つことでスキルアップできる、人気の資格はアスレチックトレーナーです。

アスレティックトレーナーは、スポーツ選手の身体的なパフォーマンスを高め発揮できるように、スポーツ選手を多面的にサポートする仕事です。こちらは民間資格ですが、柔道整復師の資格とあわせ持つことで、治療家としてスポーツ方面で活躍する人材になれるでしょう。

鍼灸師を目指す方に人気の資格

鍼灸師の資格とあわせて持っておきたい、スキルアップに役立つ資格はアロマセラピストです。

最近では、美容業界で活躍する鍼灸師も増えています。美容に特化した鍼灸師として活躍したい場合、精油の専門知識やトリートメント技術を習得できる民間資格のアロマセラピストが役立ちます。心地よい香りのなか、心と身体を癒す鍼灸師になるでしょう。

ダブルライセンスホルダーを目指して、幅広く活躍できる治療家になろう!

時間と学費を節約しながら柔道整復師と鍼灸師の2つの資格を取得したい方は、「ダブルライセンス同時取得」が可能な学校に入学しましょう。

複数の資格を取得することで、さまざまな領域で活躍できる治療家を目指せます。柔道整復師と鍼灸師のセットだけでなく、自分が活躍したい業界にマッチする資格を柔道整復師や鍼灸師とあわせて取得すれば、就職や独立の際に有利に働くこともあります。

しかし、ダブルライセンスの同時取得には1つの資格についてじっくり学べないといった難点もあります。自分がどのような治療家になりたいのか、なぜ資格を取得したいのかを熟考し、目指すキャリアに合った進路を選択しましょう。

 

関連記事

鍼・灸・あん摩マッサージ指圧師編/柔道整復師編
国試黒本の購入はこちら

購入ページへ