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エステティシャンだった私が美容鍼灸師を目指した理由

エステティシャンとは

エステティシャン、セラピスト、美容師、医師、看護師、鍼灸師、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、インストラクター、トレーナーなど美容業界で働く人々の職業は数多くありますが、これらの職業について正しい認識を持っている人はどのくらいいるでしょうか。

私は以前「エステティシャン」でした。
エステティシャンとは、エステティック業務を行う技術者のことを指し、エステサロンや美容クリニックなどが主な勤務先です。
業務内容は主に施術・接客が大半でありメインの業務です。
施術内容はサロンにより様々で、フェイシャル、ボディ、脱毛、ブライダルなど多岐にわたります。
機器を使用するものから機器を一切使用しないオールハンドまで、メニューはサロンの数だけあるのでまさに星の数です。
私も今までに多くのメニューを施術し、たくさんのお客様のお悩みを聞いてきました。

私が現役エステティシャンだった頃から鍼灸学生になった今もまだ驚くことが、「エステティシャンになるのに資格は必要ない」ということを知らない人がいるということです。

エステティシャンには民間資格や国際ライセンスをはじめ資格制度は様々ありますが、医師や看護師、美容師、鍼灸師などと違い、施術をするにあたって「必須」である資格はありません。

これが、私が鍼灸師を目指すことになった1番の理由です。
お客様の身体に触れ、美容効果を謳い施術をし、対価をいただくのに何の資格も必要ないのなら一体お客様は何を基準に技術者を選べば良いのか。
せっかく選ばれて身体を預けてもらえた時に、今の日本のエステサロンで扱えるメニューでは改善できる悩みに限界があることの葛藤。

今後も美容業界に身を置き続けたいと考えたときに、自分にとって必要なものが知識と技術と「治療ができる」資格であると思いいたりました。
そうして見つけたのが治療家・鍼灸師としての道です。

エステティシャンの資格

エステティシャンの資格は日本では民間資格

エステティシャンの資格として代表的なものが下記となります。

  • AJESTHE認定エステティシャン(日本エステティック協会)
  • AEA認定エステティシャン(日本エステティック業協会)
  • ビューティー・セラピー・ディプロマ(CIDESCO-NIPPON)

【取得方法】
・各協会の認定校に通い所定の実習時間・もしくはエステティシャンとしての所定の実務経験をクリア
・実技試験、筆記試験をクリア

私も日本エステティック協会のAJESTHE認定上級エステティシャン、
CIDESCO-NIPPONのビューティー・セラピー・ディプロマ、
国際エステティック連盟(INFA)のINFA国際ライセンスを取得しています。

その他、サロン独自のディプロマなど資格の取得方法は様々ありますが、いずれも日本の国家資格ではありません。

そもそも私も初めて就職したエステサロンでは資格なし、未経験での入社でした。
エステサロンではサロンごとにメニューが異なりますので
1)入職したサロンで講習を受け
2)技術チェックを受け
3)合格したらお客様に入る、という流れが最も多いです。

リラクセーション目的で受けるマッサージだけではなく、ゴリゴリに顔や身体をほぐす施術も、安価で受けられるエステサロン脱毛まで、無資格未経験でもお客様に施術することができるのです。

エステの資格が民間資格であるメリット・デメリットとは?

資格がなくても、経験がなくても、やる気次第でエステティシャンになれる。というのはエステティシャンを目指すメリットのひとつでもあると思います。

ですが資格がないということは、皮膚の構造や、人体(筋肉や骨、関節についてなど)の正しい知識を持たないまま人の身体に触れているという可能性もあります。

国家資格でなくとも、認定校に通い、基準を設けられた試験に受かって資格を取得したということは「正しい知識」と「基礎的な技術」や「接遇」を学んだということの証明になります。

また、美容業界は華やかな世界を想像して踏み入れると理想と現実のギャップが大きい職業です。
体力仕事であり、地味な作業も多く、人間関係や職場(労働)環境や売り上げノルマなどのストレスですぐに人が辞めてしまうこともあるので、そういった面で選考時にふるいにかけられない為にも所定の実務経験や実習時間の定められている資格を取得しておくことのメリットは大きいでしょう。

必須ではありませんが、お金と時間をかけて取得した分もちろん選択肢は広がります。
就職活動でも他の応募者に差をつけられ、開業する際には他サロンとの差別化が可能になるでしょう。

美容医療への道-国家資格について

私は資格取得後はステップアップを目指しクリニックに就職し、美容医療の道へと進みました。
美容医療の現場では医師や看護師によって医療行為が行われ、機器や商材も医療用のものが使用可能になるのでお客様の満足度や施術の効果もレベルがあがります。

クリニックにおいて医療行為を行えるのは医師のみです。
看護師が処置をする場合も、必ず医師の指示が必要です。

効果が上がる分、しっかりと医療リスクマネジメントを徹底する必要があります。

つまり、クリニックに勤務したとしてもエステティシャンにできることは限られているのです。
カウンセリングや医療行為以外の施術であればエステティシャンでも施術可能ですが診察や医療行為を行うことはありません。
国家資格を持った医師のみがお客様、患者様を治療でき、医師の補助ができるのは同じく国家資格を持つ看護師のみです。

国家資格は、国が実施する試験(国家試験)に合格するか、もしくは国の認可を受けた養成施設(学校)で認定要件を満たすことで取得することができます。

私が目指す鍼灸師は、はり師、きゅう師試験の国家試験に合格すると免許が与えられます。
そして国家試験の受験資格を得るには、高校卒業後、文部科学大臣または厚生労働大臣認定の学校・養成施設(大学・短大・専門学校など)で3年以上必要な知識と技能を修得することが必要です。

第31回鍼灸国家試験の合格発表はいつ?を参考に見たはり師きゅう師の直近5年間の合格率70%前後に比べ、認定エステティシャンの総合的な合格率は80%ほどです。
資格取得の難易度だけで比べると国家資格である鍼灸師はエステティシャンに比べ目指すハードルは高く感じてしまう方が多いのではないでしょうか。

それだけ医療行為を行うということは大きな責任を伴うということですので、国家資格を取得した後も勉強は必須、経験も重要です。
他人の身体に鍼を刺すのですから当然といえば当然ですよね。

美容鍼灸とは

鍼灸師(はり師きゅう師)は、 疾患や症状に適した経穴(ツボ)に鍼と灸を用いた施術を行い、刺激を加えることで体の不調の予防や改善を目指すことが主な仕事内容です。
鍼や灸を用いた施術は東洋医学に基づくもので、人間が本来持っている自然治癒力を高める効果があります。

美容を目的として鍼灸を行う「美容鍼灸」は顔の経穴や筋肉に鍼を打つことで皮膚の代謝、血流の促進、筋肉の弛緩を促すというものです。
肌の深部組織に刺激を与えることでコラーゲンなどの弾性組織の産生を促すことも可能ですので、

  • お肌にハリツヤが出て、しわの改善や若々しい印象
  • 筋肉の凝りをほぐすことで小顔効果
  • 解剖学に基づいたリフトアップ
  • ターンオーバーを促してシミの改善
  • 血行が良くなることで肌のくすみの改善やトーンアップ

など多くの美容効果を望むことができます。

鍼灸治療による美容効果は、WHO(世界保健機構)でも認められています。

エステサロンでの効果に満足できなかった方、美容医療で顔にメスや注入物を入れることに抵抗がある方にぴったりなんじゃないかと考えたことが鍼灸師を目指そうと思ったきっかけのひとつです。

エステサロンでの施術よりも理論的で、効果に関するエビデンスもあり、鍼灸療法は長い歴史を持つ治療法であること。
そして「国家資格」であること。

これからの美容業界、そして治療家としての可能性を無限に感じられました。

 

 

これからの美容業界

美容の定義というのはとても曖昧なもので、重要視する面に大きく個人差があります。

  • 好きなメイクをするのか、似合うメイクをするのか
  • 好きな色を選ぶのか、パーソナルカラーで選ぶのか
  • コンプレックスを解消するのか、コンプレックスを活かすのか

特に美容整形などが身近なものに感じられるようになった今では、どんな施術にもいろいろな捉え方があります。

美容法というのは、おおよそどんなものにも肯定意見と反対意見がありますが自分にとって合う方法を見つけるということが大切です。

鍼灸師を目指すからと言って美容鍼灸がベストアンサーというわけではありませんが、何かお悩みを抱えているお客様のために提供できるものをひとつでも多く持っていたいと考え、美容と治療を追求された治療家の方々が今活躍されているのだと思います。

心の健康は身体の健康であり、お肌は内臓を映す鏡、お顔は第3の脳と言われます。
まさに美容と健康は表裏一体であると考えられているので、
アンチエイジング=予防医療として捉えることもできるのではないでしょうか。

鍼灸美容を取り入れ、若々しいお肌とストレス社会に打ち勝てる心身を手に入れましょう。

美容と健康は表裏一体、
まずは身体の不調をしっかりと診れる鍼灸師を目指したい

コンプレックスが解消されることで、心まで明るくなることがあることを知っているという人はたくさんいると思います。

このシミが、ニキビがなければ。
もう少し目が大きければ。
もう少し顔が小さければ。
気になる部分があってうまく笑えない。
人前で化粧を落としたくない。

全て私自身が経験した悩みです。

少しでもこの悩みを改善したいという気持ちから美容業界に進み、同じように悩む人の力になれればと思い鍼灸師の資格にたどり着きました。

心も体もお顔も健やかにできる鍼灸師を目指して資格を取るまでも、取った後も学び続けたいと思います。
もし、なにか手に職が欲しいけど・・・と悩んでいる方がいればぜひ一緒に治療家を目指してみませんか?

記事を書いた人

山﨑 沙世子

現在:お茶の水はりきゅう専門学校1年
経歴:エステティシャン、美容外科クリニックカウンセラー
資格:CIDESCO・INFA国際ライセンス・AJESTHE認定上級エステティシャン・AEAJアロマテラピー検定1級・JNECネイリスト検定3級・JNAジェルネイル技能検定初級
美容業界、治療家業界の今後の発展と可能性に惹かれ鍼灸師を目指す

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