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柔道整復師になるまでの費用と学費支援を総覧!賢く節約する方法とは?

「柔道整復師になりたい!」と動き始めたものの、気になってくるのが金銭面のことではないでしょうか?学校に入学してから柔道整復師になるまでに、どれくらいの費用がかかるのか不安ですよね。

今回は柔道整復師になるまでの費用と、その学費を支援してくれる制度について解説していきます。

今、柔道整復師という職業に興味がある方だけでなく、既に柔道整復師を目指して学校に通っている方にも必見です。早速いってみましょう。

柔道整復師になるための学費とサポート制度

柔道整復師になるための費用は、山登りに例えると分かり易いです。登山ルートは複数あり、ルート毎に旅程も山登りの装備が違います。柔道整復師も資格取得のルートが複数あり、ルート毎に費用や年数などが違います。
 

柔道整復師に必要な国家試験資格取得の費用

柔道整復師になるには国家試験を通過する必要がありますが、柔道整復師の養成施設で知識や技能を3年以上習得しなければ受験資格を得ることはできません。

また、柔道整復研修試験財団によると平成16年から「認定実技審査」の受験も必須となっており、約36,300円の費用が必要になります 。

・認定実技審査料         6,000円(再審査の場合別途)
・国家試験受験手数料     16,500円
・柔道整復師名簿新規登録申請 13,800円(手数料4,800円 + 登録免許税9,000円)

大学、短大、専門学校の学費比較

柔道整復師学校養成施設とは、文部科学大臣の指定した学校または都道府県知事の指定した大学、短大、専門学校です。養成学校は日本全国に100校程ありますが、短大は1校しかないため、今回は大学と専門学校それぞれ2校を学費の参考とします。

大学と専門学校では在学期間が異なるため純粋な比較はできませんが、学費だけで考えると専門学校の方が安いことがわかります。

・大学

学校名 日本体育大学 関西医療大学
学部・学科 保健医療学部・整復医療学科 保健医療学部・ヘルスプロモーション整復学
年制 4 4
総額 6,669,500 6,750,000
入学金 300,000 200,000
授業料 3,600,000 4,800,000
諸費用 2,769,500 1,750,000

・専門学校

学校名 日本柔道整復専門学校 明治東洋医学院専門学校
学部・学科 柔道整復科 第1部(昼間部) 柔整学科
年制 3 3
総額 4,280,000 4,208,000
入学金 600,000 200,000
授業料 3,120,000 3,580,000
諸費用 560,000 428,000

学費支援の奨学金や給付金制度

柔道整復師養成校に通うためにはかなりの資金が必要ですが、様々な学費支援も準備されています。主なものを2つご紹介します。

1つ目は教育訓練給付金です。厚生労働省が運用している雇用保険給付の専門実践教育訓練で、6か月ごとに受講費用50%(年間上限40万円)が支給されます。加えて、資格取得から1年以内に雇用保険被保険者になると追加で20%(年間上限16万円)が支給されます。

2つ目は高等教育の修学支援新制度です。こちらは文科省の制度で、経済的に就学困難な学生を対象に学費を支援するものです。給付型奨学金の支給と授業料等が減免され、世帯状況・学習意欲・学力によって支給有無・支給額が決定します。

他にも、生活福祉資金貸付制度や母子父子寡婦福祉貸付金、日本学生支援機構が行う貸与型奨学金、大学・地方公共団体等が行う奨学金などが用意されています。

学習に必要な費用

令和4年度の国家試験の合格率は49.6%でした。学校の授業で不安な部分は、自主学習で補うのがお勧めです。国試黒本の’24年版の参考書は上下巻で5,280円(税込)、問題集は3巻セットで5,900円(税込)で網羅できます。

この他に、塾や通信教育という選択肢もあります。現役学生以外にも、浪人生も活用しています。塾及び予備校の金額は受講するコースにもよりますが、昼間部だと年間の学費が総額で50万円~80万円程度です。

オンライン授業や通信教育の場合は、費用はもっと少なくなる傾向にあります。

専門学校と大学での柔道整復師教育の特徴と費用

入学の際に専門学校と大学とでは、何を基準に決めればいいのでしょうか?それぞれの特徴と費用について詳しく解説します。
 

専門学校の教育プログラムや施設、学費免除制度

厚生労働省が管轄する専門学校は、その職業のスペシャリスト養成に特化した施設です。必要なスキルを最短で取得できるように、効率的に学習と国家試験対策を行います。

昼間部だけでなく、日中に仕事をしている方にも通いやすい夜間部が設けられていることも特徴で、学費支援もそういった就労者、経験者を対象とした教育訓練給付金が利用できます。その他、奨学金制度、学生ローンなども利用可能です。

大学の教育プログラムと設備、学費支援

大学は単位制であり、柔道整復師の必須科目以外に多くの一般教育科目も選択できます。実際、文部科学省によると次のように定義されています。

”学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させること”

取得単位によって柔道整復師資格以外の資格も取得ができ、4年の修学後に大学院へ進学することも可能です。

学費支援は、大学無償化制度により対象者は授業料等の減免と給付型奨学金を受けられる他、各種奨学金、学生ローンの利用が可能です。

それぞれのメリットとデメリット

専門学校のメリットは、必須科目を3年で履修できるためトータルでかかる学費が低く抑えられることにあります。参考で挙げた大学2校の平均学費と専門学校2校の平均学費の差は、250万円とかなりの開きがあります。

また、要件を満たしていれば専門実践教育訓練金で最大168万円の給付と、教育訓練支援給付金により専門学校在籍期間は支援金を受け取りながら学べます。

デメリットは、’18年以降必要単位数が85単位から99単位(2,750時間)以上 と増え、国家試験対策も含めると駆け足な教育プログラムになる可能性があることです。また、卒業後も柔道整復師の資格しか取得ができないため、就職の幅が狭くなりがちです。※13

大学のメリットは、柔道整復師以外の資格の取得が可能で卒業後の選択肢も豊富なことです。柔道整復師以外の医療現場や、関連企業の他、一般企業への就職も最終学歴が「専門卒」よりも「大卒」は優位です。当然、博士課程を履修し教授への道を目指すことも可能です。

デメリットは、学費と時間です。前述の通り、ゆっくり学べる分学費は高く、大学院まで進学すれば更に学費が必要となります。また、学費支援のための大学無償化制度も経済状況と成績などによるため、支給のハードルは高いです。

助成金制度や制度

奨学金を検討する方は、返還できるかが不安だと思います。

ここでは返済の負担を減らす制度について解説します。

文科省の管轄である日本学生支援機構の貸与型奨学金の場合、返還が困難な場合に月々の返還額を減額し支払期間を延長する減額返還制度や、一定期間の支払い猶予をもらい支払期間の延長をする返還期限猶予制度などがあります。

これは返還総額を減らす仕組みではありませんが、月々の負担を減らすことができます。

また、地方公共団体の中には、卒業後に地元に就職することで奨学金の一部ないし全額を返還する地方創生制度を行っています。日本政策金融公庫の教育ローンに関しても、利子の一部ないし全額を給付する支援を行っているところもあるので、確認してみましょう。

まとめ:柔道整復師になるための費用

柔道整復師になるためには、専門学校と大学のどちらかの養成施設で修学し国家試験をパスする必要があります。専門学校を選択した場合、少なくとも430万円はかかるものの就労状況によっては手厚い優遇を受けられます。

大学を選択した場合は、670万円以上は確実にかかりますが卒業後の選択肢の幅も広く、成績次第では学校独自の支援を受けることは可能です。同様に奨学金制度等も世帯状況もですが、学力も大きな審査の対象となります。

留年、浪人を避けるためにも、学力向上が一番賢い節約なのです。

【引用URL】
文部科学省 学校教育法 第五章 大学 第五十二条
【参照URL】
厚生労働省 柔道整復師国家試験の施行  4 受験資格
公益財団法人 柔道整復研修試験財団
認定実技審査要領「平成30年度改訂版」 はじめに
公益財団法人柔道整復研修試験財団 3.認定実技審査制度
公益財団法人柔道整復研修試験財団 2.柔道整復師免許証の登録事務
日本体育大学 学費
関西医療大学 学生納付金
日本柔道整復専門学校 学費
明治東洋医学院専門学校 学費
厚生労働省 教育訓練給付制度
文部科学省 経済的に困難な学生・生徒が活用可能な支援策
厚生労働省 柔道整復師学校養成施設カリキュラム等改善検討会
厚生労働省 柔道整復師学校養成施設カリキュラム等改善検討会報告書 平成28年10月31日 2ページ

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