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柔道整復師に向いている人と向いていない人の特徴まとめ!適性や必要なスキルも解説

国家試験に無事合格し、晴れて柔道整復師として働きだしたものの悪戦苦闘の毎日。そのような日々が続くと、「私って、柔道整復師に向いているのかな?」と誰しもが考えるかと思います。

今回はそんな柔道整復師としての適性や、身に着けたいスキルについて解説していきます。

今、柔道整復師という職業に興味がある方、あるいは柔道整復師を目指している方も必見です。早速いってみましょう。
  

柔道整復師に向いている人の特徴

柔道整復師は独立開業権を持った国家資格であり、近年は病院や整骨院、介護施設、スポーツジムなど様々な現場で活躍しています。

そんな柔道整復師に向いている人の特徴について見ていきましょう。

コミュニケーション能力が高い人

施術者と患者さんとの人間関係構築が、柔道整復師の仕事の基本となります。患者さんにとって、最初は見ず知らずの人に身体を任せることになるので、ただでさえ不安でいっぱいです。施術者への信頼が低ければなおさら不安に感じることでしょう。

また診察の際には、上手く患者さんの訴えを聞き出し、精査するのに必要な情報を正確に手にする必要があります。そのため、いち早く患者さんと心の繋がりを結び、訴えを引き出し耳を傾けられるようなコミュニケーション能力が求められます。

観察力と柔軟性がある人

似たような症状を訴えているようでも、その原因は十人十色、患者さんによって施術方法が異なります。

実際に私が経験した腰痛で来院した患者さんの例をご紹介します。

「昔から腰痛が酷く、良くならないので見てほしい」と言われた時、あなたはどうしますか?

患者さんの主訴だけで安直に診察をすることは、誤診に繋がります。実際、この患者さんには心疾患の疑いが出てきたため、念のため救急車を呼んで医大へ搬送したところ、心筋梗塞を起こしかけていました。

腰痛の施術だけ行い通院するように指示をしていたら、どうなっていたか分かりません。ここまでのケースは稀かもしれませんが、適切な診察を行う上で必要な観察眼を身に着けること、また咄嗟の際の柔軟な引き出しを持っていることが大切です。

健康管理に関心が高い人

柔道整復師の仕事には、予防、後療法も含まれます。

例えば、転倒時に利き手を骨折した高齢患者が来院した際は、骨折の起因となった転倒理由を分析し、筋力低下や栄養状態を気にかけたり、固定によって生じる生活への支障を検討し、改善策を提案したり、固定時に出来るリハビリ指導も実施します。

このように、患者さんの生活に密着した健康アドバイスができるなど、患者の人生の質の向上に努めることが求められます。

知識や技術の継続的な向上を求める人

医学の進歩は著しく、常識と思われていたことも5年、10年でひっくり返ることも珍しくありません。常に自分の知識、技術を更新していく必要があります。

また、独立開業を目指すのであれば集客術、顧客管理術なども求められます。

普段からあちこちにアンテナを張っておくこと、そして治療家としても経営者としても常に向上しつづけることが求められます。

 

柔道整復師に向いていない人の特徴

では、柔道整復師に向かない人はどういった特徴があるのでしょうか?

柔軟性や適応力に欠ける人

柔道整復師の仕事は「医療サービス」ですが、「接客業」の側面も持っています。年齢や性別、ニーズも異なる患者さんに、柔軟に対応ができない方には向いていません。

また、業務は周りのスタッフとの連携が重要であり、現場での適応力に欠ける方にとっては難しいかもしれません。

綿密な仕事が苦手な人

治療は、緻密な理論に基づいて立てられた治療計画に沿って行われます。そのため、キッチリとした時間管理、ルールを守れない方にとっては柔道整復師は向いていません。

ルールを守らずに患者さんを危険な状態にしたスタッフAの事例です。

捻挫で来院した患者のアイシングを任されたAでしたが、彼は少々いい加減でした。患者さんにアイシングを施して規定時間になったら外すはずだったのですが、Aはその場を離れた上に予定時間を大幅に超えてもアイシングを行っていました。

不審に感じた他のスタッフが、患者の下を訪れるとチアノーゼを起こしていました。

人の命に関わることもある仕事ですので、ルールは絶対です。

忍耐力と責任感がない人

患者の生活環境や年齢、性別、基礎疾患の有無などで治療が進まないとき、如何に根気強く治療を続けるか、患者を励まし続けられるかが大切です。

野球強豪校2年生のB君の事例です。肘の疲労骨折で来院しましたが、大会前のB君は「休めない!」とキッパリ。

練習継続のリスクと治療計画、復帰までのプロセスを何度も説明したところ、B君も練習量を調整してくれるようになり、治療にも専念してくれました。

その大会は我慢してもらいましたが、骨折も大事には至らず3年生の最後までレギュラーでプレイできました。

柔道整復師は、ときに厳しい判断を求められることがあります。担当した患者を最後まで、責任をもって診るという強い意志がない方には向かないでしょう。
  

職場が変われば働きやすさも大きく変わる

柔道整復師として仕事をしている中で、「ツライ」、「向いていない」と感じている方もいらっしゃると思います。向き不向きはありますが、100%あなたの性質が悪いとは限りません。それは、その環境があなたに合っていないということも十分考えられるからです。
 

業務内容による環境の違い

整骨院、病院、介護施設、スポーツジムなど職場は多種多様で、同じ整骨院だったとしても経営者(院長)によって経営方針も、施術内容も全く違います。

例えば、整骨院の保険請求一つをとっても違います。A整骨院は完全保険診療のみ、B整骨院は保険診療と合わせて自費診療も行い、C整骨院は完全自費診療のみであったりと、それぞれです。

その他、スタッフの育成方法も、給与、勤務形態などの待遇面も職場次第です。自分が納得のいくような条件で働ければ、仕事の意欲も変わります。

また独立開業を目指す人で、明確に自分が目指す柔道整復師像があるのであれば、転職はむしろ目的を果たすための手段です。効率的に活用しましょう。
 

人間関係による環境の違い

円滑なコミュニケーション技術を求められる柔道整復師とはいえど人間、得意な相手がいれば苦手な相手もおり、それは患者だけでなくスタッフも対象であるといえます。

私も以前勤めていた施設で、治療方針を巡ってスタッフと対立したことがあります。社長の意向もあったため私も強気で押し通したのですが、あるスタッフとはどうしても意見が合わず、最悪の関係でした。

嫌がらせや陰口もたたかれて、とてもつらかった思い出があります。

人間関係は半ばどうしようもありません。ですので、苦手な人からは極力距離をとること、場合によっては配置換え、転職はあって仕方のないことです。ストレスから自分を守るためには、必要なことだと思います。

柔道整復師としての成果ややりがい

柔道整復師に求められる仕事のハードルは高いので、その重圧との闘いに苦しんでいる方もいると思います。この仕事の成果ややりがいはどこにあるのでしょうか?

私が新人の時に担当した患者Cさんの話です。Cさんは長い闘病で回復は見込めないと思い込んでおり、リハビリにも非協力的でした。

何とかしてあげたかった私は、Cさんに根気強く病状を説明し毎日声掛けを続けました。そんなCさんも徐々に理解を示してくれるようになり、積極的にリハビリを受けるようになりました。その結果、ほぼ以前に近いレベルまで歩行を回復させることができました。

最初は私を苗字で呼んでいたCさんも、最後の方は「先生」と呼んでくれていました。あの時の経験こそが、真柔道整復師として、私を生まれかわらせたように思います。

柔道整復師は、軽い気持ちで臨めるような仕事ではないかもしれませんが、患者の笑顔と感謝の言葉をいただけることが、この仕事の醍醐味だと思います。

まとめ

柔道整復師とは医療者であり接客業の要素もある仕事です。来院する患者年齢層も幅広く、また中には健康リスクの高い患者も来院します。

そのため、高いコミュニケーション能力と管理能力、適切な診察眼と柔軟な判断力、それらを裏付ける高度な医療知識が常に求められます。常に自己研鑽に励むことができる方には、やりがいある仕事です。

逆を言えば、これらの要素と向き合うことが苦手な方は苦労しますが、柔道整復師の就職先は幅広いので、現在の職場だけで仕事の向き不向きを判断する必要はないと言えます。

柔道整復師の仕事は厳しくはありますが、患者の健康を守ることができたときに、幸せを感じることが出来る仕事です。

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