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【柔道整復師の志望動機】履歴書・職歴書に欠かせない志望動機の書き方

柔道整復師(柔整師)免許の取得と並行して、行う就職活動。気になる企業も見つかって、応募のために履歴書を書き始めるものの志望動機につまずく新卒者は多いと思います。

また、転職希望者にとっても、志望動機の作成は億劫になってしまう場合も。

しかし、よくわからないからと志望動機の手を抜いてはいけません。志望動機一つで、採用不採用に大きく影響を与えるからです。

今回は転職回数多め、採用担当経験もある筆者が、採用されやすい志望動機の書き方について解説します。

柔道整復師の転職・就職の際の志望動機の重要性

柔整師は、医療系資格の中では珍しく独立開業権を持った国家資格です。以前は資格取得後すぐに開業という選択肢もありましたが、現在はルールが変わり新卒者の場合就職が必須になりました。

また近年は、施術所の増加やスポーツ、介護領域などの雇用先も広くなり「開業をしない」という選択肢も増えたため、より良い待遇あるいは自身のステップアップに転職を行うことも一般的になってきています。

就職・転職活動の際、代表的な応募書類が履歴書、職務経歴書です。これらの書類は事務手続き上必要なだけでなく、審査対象としてしっかり見られるため、応募書類の作成から審査はすでに始まっています。

応募書類の中で、特に審査に関わる部分が志望動機であり、「なぜその事業所を希望するのか?」「自身のどういった能力が貢献できるのか」を明示しなければなりません。

 

志望動機作成前に抑えておきたい基本条件

志望動機の作成は企業と応募者との「恋愛」と考えると、志望動機を作成する前に意識すべき点が分かります。

1点目が相手(企業)を知ること。求人票の情報はもちろん、企業サイト、SNSやミートアップなどでも企業を知る機会はあります。このとき、業界全体の動向も含めて把握することが重要です。

人で言えば、相手だけでなく周りの人間関係も把握することで趣味趣向がより分かる感じです。

2点目が自分の特性やスキル、経験を把握することです。

人はそれぞれ容姿、知性などの性質や歌や運動などの技能、人生経験などから個性が形作られます。等身大の自分を知ることで恋愛戦略が変わるように、就職活動でも自身の強みを毎の戦い方があります。

企業に惚れてもらうには、事前準備に多くの時間を割くことが成功の鍵です。

志望動機の作成方法

志望動機は、自身のキャリアや目標から応募理由に繋げていくと作成しやすいです。

また、厚労省の手引には以下のことを盛り込むことが推奨されているおり、柔整師にとっても重要なことですので、作成する時には意識すると良いでしょう。

①応募先企業を選択した理由(なぜその会社を選んだか。)
②自分の経験・能力のアピール(自分のどんなところを仕事に活かせるか。)
③意欲(どんな仕事をしてその会社に役立ちたいか。)

自身のキャリアや経験をどのように繋げるか

企業は応募者の能力が気になります。経験者は書き易いものですが、新卒の方や実務経験の浅い方は困りますよね。

ここでは発想を広げましょう。現場は治療技術だけでなく、コミュニケーション能力や適応能力、リーダーシップや学習意欲なども必要だからです。

学生時代のクラス委員、バイトリーダー経験、習い事、資格取得など、アピールポイントは必ずあなたの過去にあります。

例えば、情報セキュリティマネジメント などのIT系の資格でさえも今後柔整業界にもDXが普及することを考えると、武器になります。

このように、誰もがなにかしらの強みがあります。大切なことはこれらの話を、実際のエピソードとともに例示し、その能力で企業にどう貢献できるかを示すことです。

柔道整復師としての目標や夢から

夢と目標の違いとは何でしょうか。夜見る非現実的なものを含んだ理想が夢なのに対して、目標とは実現可能なものを指すと考えます。

夢ばかり語る人のことを他人は信用しません。こう言うと、夢が頼りないモノのように感じますが、一方で夢のない目標も酷くつまらないです。夢は叶えるもの、その設計図が目標と考えます。ただ、設計図だけでは夢は叶いません。指針のある行動、信念が必要です。

①夢→長期的な目標、最終目標(例:地域トップの信頼、売上実績の接骨院。)
②信念→行動する際の考え方(例:年令問わず地域の人々の健康を支える。)
③目標→短期目標(例:開業する、介護業界に携わる。)

自分の中に筋道を立てると、志望理由の説明に使えます。ポイントは、自身の短期目標と応募先企業の共通項を記載することです。それさえできれば、夢や目標も魅力的な志望動機にすることが可能です。

ただし「開業」などを強く出してしまうと、長期雇用に向かない人材と思われるリスクがあるため表現には注意が必要です。

避けるべき志望動機の内容

志望動機の中であまり触れない方が良い代表的な内容を2つ紹介します。

ネガティブな内容

転職希望者に言えますが、前職への不満は危険です。面接で必ず退職理由が聞かれるため、その経緯に触れるのは良いですが、

・待遇が悪い。
・上司、同僚が嫌い。
・施術方針が不満。

などを転職理由に挙げていると担当者とすれば、

・給与、休日交渉が面倒。
・人間関係でのリスク。
・管理が面倒。

そのような人材に映ります。志望動機は愚痴を書くところではないので、注意しましょう。

一般的過ぎる抽象的な表現

ありきたりな表現では、担当者には響きません。例えば、スポーツ外傷を得意とした施術所に、「スポーツに力を入れている所に魅力を感じる」と書いても、担当者は応募者の企業理解度が低いと感じるだけです。

その事業所ならではの文章を書くのは難しいかもしれませんが、魅力に感じた理由を具体化していくとあなたならではの志望動機に昇華させられます。

対策1:実際の出来事を交えて書く。
例:柔道の全国大会目前にケガをして出場できなかった経験から、予防の重要性を感じていた。

対策2:「魅力を感じた」などはより具体的にする。
例:治療 に合わせ、予防までサポートする施術コンセプトに感銘を受けた。

具体的な志望動機の書き方例

最後に、これまでお伝えしてきた内容を踏まえ、新卒の場合と転職の場合それぞれで志望動機を例示します。

新卒の場合

「ともに歩む」を掲げて障害者スポーツのサポートに毎年参加している御院にて、選手たちの支えになりたいと考えこの度志望いたしました。

学生時代に参加した障害者スポーツ現場での選手たちの激しいプレイと真剣さ、そしてそれを支える先生方と選手の信頼関係に憧れ、それが私の目標です。6年間バレーボールで培った協調性とストイックさで御院に貢献いたします。

転職希望者の場合

新卒で現在の接骨院に就職し早10年、6年程分院の院長を務めました。売上にも貢献し、ここ数年は系列店で売上トップでした。治療技術、経営管理、人材管理など院長には感謝してもしきれません。

一方で、以前から高齢化に危機感を感じており、柔整師として福祉業界に貢献したいと考えていたところ御施設の募集を拝見しました。介護業界は未経験ですが、柔整師の経験は御施設でも活かせるものと考えております。

まとめ

就職活動においては、応募書類の段階から審査は始まります。その中で志望動機は唯一のアピールポイントですので、闇雲に書き始めるのではなく事前に自己分析、企業分析を行うことで、企業の求める人材と等身大の自己との距離が適切な志望動機に仕上がります。

採用担当者に評価されるコツは、実体験を盛り込むことと具体的な表現でアピールすることです。そして、企業が一緒に働きたいと思ってもらえる文章を心がけましょう。

志望動機作成は悩ましいです。しかし「働きたい」と思う企業なのであれば自ずと熱意の伝わる文章になるでしょうから、まずは熱意が湧く企業を探すことが一番のコツです。

【参照URL】
厚生労働省 ハローワークの相談支援 お役立ち情報 各種リーフレットなど

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