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柔道整復師の就職活動マニュアル。情報収集から施設見学まで!

柔道整復師になるための、就職活動では事前の準備が肝心です。求人情報の収集方法や施設見学までの進め方など、柔道整復師になるための就職活動の最初のステップを解説します。

就職活動は事前の準備がすべて

専門学校や大学で柔道整復師を目指している人の多くは、初めて就職活動を経験するでしょう。つまり就職活動の“素人”であり、よく分からないまま就職活動を始めても、なかなか良い成果は得られません。

就職活動では、準備不足やちょっとしたミスが結果に大きく影響するため、どの過程においても事前にポイントを押さえておくことが大切です。求人情報の探し方から施設見学まで、各ステップのポイントを解説していきます。

 

柔道整復師や鍼灸師の就職先の探し方は?

一般的に、就職先を探す方法は次の3つが挙げられます。

  • 専門学校・大学のキャリアセンターを利用する
  • 就職ガイダンスに参加する
  • 整骨院・接骨院の公式サイトをチェックする

それぞれの方法について、詳しく見ていきましょう

専門学校・大学のキャリアセンターを利用する

多くの専門学校・大学では、整骨院・接骨院や介護施設、医療施設などから求人票の登録・送付を受け付けています。

在校生であれば学校のキャリアセンターや掲示板を通じて、こうした求人票の情報を探したり応募したりできます。学生ならではの特権ですので、ぜひ利用したいところです。

また、キャリアセンターのスタッフに相談して、自分の希望に近い条件の施設を紹介してもらう、という流れも一般的です。

就職ガイダンスに参加する

就職ガイダンスとは、専門学校・大学や就職情報会社が主催する企業やOBなどから業界について説明を行ったり、人事担当の方から施設の説明を受けたりすることができるイベントです。

福利厚生や給料など、就活生が聞きにくいことも教えてくれる企業もあります。

また、企業が求める人材の説明や具体的な業務内容の説明もされるケースが多いので、企業と就活生のミスマッチを防ぐためにも、ガイダンスは役に立ちます。

接骨院の公式サイト

学校のキャリアセンターや就職ガイダンスのほか、接骨院や鍼灸院などが公式サイトも必見です。

多くの公式サイトでは常時、中途採用の情報が掲載されているほか、新卒者向けの特設ページも開設されている場合あります。新卒研修や勉強会などについても写真付きで詳しく説明されており、就職後の働き方もイメージしやすいでしょう。

ただし公式サイトを1つ1つチェックするのは時間がかかります。まずは希望勤務地と施設の形態(整骨院・接骨院、介護施設、医療施設など)でネット検索するのがベターです。

自身の志望条件に合っているか?求人情報の読み方を解説

次のステップでは、気になる求人情報から応募先をしぼり込んだ上で、優先順位をつけていきましょう。

求人情報を探すことができても内容を正しく読みとれなければ、その仕事について誤った認識のまま就職活動を続けることになります。内定をもらって働き始めても、就職してから「こんなはずではなかった」という事態になってしまいかねません。

求人情報には、仕事内容のほか応募資格や給与などが細かく示されています。いくつかのポイントを押さえて、自身の志望条件に合うかチェックしてみましょう。

ポイント1:給与・手当

求人情報に書かれている給与(月給)は一般的に「額面給与」と言われるもので、そこから税金や保険料などが差し引かれます。

実際に支給される「手取り給与」は、額面給与の80%程度とされており、求人情報に書かれている金額が全て支給されるわけではありません。

給与の項目には月給のほか、賞与(いわゆるボーナス)の支給や、残業手当が支給される基準なども明記されています。「みなし残業代」として、残業(一定時間)にかかる手当が月給に含まれているケースもあるので注意しましょう。

ポイント2:福利厚生・待遇

雇用形態を問わずフルタイム(常勤など)で就業する場合は、健康保険や厚生年金などの社会保険、雇用保険に加入できます。一般的な福利厚生ではありますが、念のため求人情報に示されているかきちんと確認しましょう。

企業によっては資格手当や社員寮を完備しているケースもあるので、たとえば「入社時の給与が低くても、福利厚生が手厚い企業に勤める」というのも選択肢の1つです。

ポイント3:就業時間・休日・残業

整骨院・鍼灸院などの営業時間や休業日は企業(施設)によって異なり、店舗ごとに定めている場合もあります。次のような項目を参考に、自分の働きたいスタイルにあっているか確認しましょう。

・就業時間
例:平日10:00 ~ 20:00(予約最終受付19時/休憩2時間)
土曜日 10:00 ~ 17:00(予約最終受付16時/休憩1時間)
・休日(曜日固定もしくはシフト制)
・休暇(年末年始、夏季休暇、有給休暇)
・残業時間
例:月20時間

ポイント4:雇用形態

雇用形態としては、「正社員」「契約社員」「嘱託社員」「アルバイト」「パート」などがあります。自身の希望する雇用形態であるかを確認しましょう。

気になる施設が見つかったら施設見学を申し込む

求人票などの情報から応募先を絞ったら、面接の前に施設へ見学に行っておくようにします。見学を申し込んで断られるということは、基本的にはありません。

電話で申し込む

学校の紹介情報や求人票などから治療院の電話番号を確認し、採用担当者宛にお電話をしましょう。
※大抵の場合受付の方が出られますので、 受付の方に目的は何かを分かりやすく伝え、採用担当者の方につないで頂きましょう。

採用担当者も接客などで忙しい場合があるので、就職活動中で施設見学をしたい旨を手短に伝えます。

施設見学の了解を得られたら採用担当者から、見学日程のご提示があります。
手元にスケジュール帳を用意し、提示された日程が可能かどうかすぐ確認できるようにしましょう。

【例】
見学日程が○○月○○日○○時でどうですか?と聞かれた場合。
ありがとうございます。
そちらの日程でお願いいたします。
○○月○○日○○時からよろしくお願いいたします。
当日、何かご持参する物はございますか?

注)見学日程が都合に合わなかった場合

【例】
大変申し訳ございません。
そちらの日程は都合が合いません。
大変恐縮ですが、 別の日程でお願いできますでしょうか?

注)日程・持ち物も確認したら、御礼の言葉で締めくくりましょう。

【例】
当日は、お忙しい中お時間を頂きますが、 どうぞよろしくお願い致します。
ありがとうございました。

注)採用担当者が電話をきるまで確認してから電話を切る。

ホームページやメールで申し込む

施設によっては、ホームページやメールで見学を申し込める場合もあります。
電話対応が難しく、ホームページやメールでの見学を設定している場合もあるので、見学してみたい施設が見つかったら先にホームページをチェックしておくことがおすすめです。

ホームページやメールで連絡する場合も、自分が応募者であることをしっかりと明記し、要件を簡潔に伝えられるようにしましょう。

職場見学は面接を兼ねている場合もある

職場見学は正式な面接とは違いますから、緊張する必要はありません。とはいっても正式な面接という形式ではなくとも、職場見学が実際の面接を兼ねている場合もあるということは頭に入れておくとよいでしょう。

身だしなみをきちんと整える

人の第一印象は見た目でほぼ決まるといわれており、身だしなみを整えることは非常に大切です。施設見学では「私服で来てください」という指定がない限り、原則としてスーツ着用で訪問しましょう。

男性なら髭をきちんと剃る、女性ならヘアゴムやヘアピンで髪をきちんとまとめるなど、清潔感のある身だしなみを心がけましょう。

職場見学でよく聞かれる質問と回答のポイント

1. なぜ柔道整復師を目指しているのか?

【ポイント】
なぜ柔道整復師になりたいと思うのか、「学生時代の部活動の経験から」「自分や身近な人が治療院にかかった経験」など具体的なエピソードを挙げてお話しできるようにしましょう。

2. 実際に見学した感想は?

【ポイント】
この質問は自施設のどこに魅力を感じたのかを知るためと、志望度の高さを把握するためです。この場合は見学して感じた施設の魅力(施設の雰囲気やスタッフの印象など)を伝え、できれば、「職場見学を通してその部分に改めて魅力を感じました」という回答ができれば前向きな姿勢を伝えることができます。

3. 将来はどうなりたいのか?

【ポイント】
柔道整復師・鍼灸師には「開業権」があるので、自分で整骨院や治療院を設立して独立開業することができます。実際、独立開業を目指している人は多いですが、面接を受ける時点でその意思があるかどうかに関わらず、将来のビジョンを具体的に述べましょう。

見学の際には積極的に質問を

勤務条件に関することを聞く場合は、聞き方を工夫する

残業や休日などの労働条件について尋ねたい場合は、はっきり言ってしまうよりは聞き方を工夫し、率直になりすぎないよう配慮すると良いでしょう。
たとえば、「皆さんのお帰りは何時頃になりますか」「お休みの日にはどのように過ごされていますか」など、聞きたい内容は押さえつつストレートにならない表現が無難です。

仕事内容に関してはどんどん質問しよう

「教育や研修制度はどのようになっていますか」「どのような患者さまが中心ですか」など、就職してからの仕事内容に関わることはどんどん尋ねましょう。

最初のステップを押さえて就活に臨もう

柔道整復師・鍼灸師の就職活動は専門学校のキャリアセンターや就職ガイダンスを利用し、施設見学をするのが一般的な流れです。特に施設見学時は、よくある質問に対する回答や志望動機をきちんと頭に入れておけば、臨機応変に対応できるでしょう。

新卒での就職先はその後のキャリアに大きく影響します。第一志望の応募先に就職できるよう、まずは就職活動の最初のステップを押さえ、就職活動に臨みましょう。

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