美容鍼灸師になるには?魅力や仕事内容から学校情報など解説!
キャリア・働き方
鍼灸師
美容鍼灸とは?
鍼灸師(はり師きゅう師)は、 疾患や症状に適した経穴(ツボ)に鍼と灸を用いた施術を行い、刺激を加えることで体の不調の予防や改善を目指すことが主な仕事内容です。
鍼や灸を用いた施術は東洋医学に基づくもので、人間が本来持っている自然治癒力を高める効果があります。
美容を目的として鍼灸を行う「美容鍼灸」は顔の経穴や筋肉に鍼を打つことで皮膚の代謝、血流の促進、筋肉の弛緩を促すというものです。
肌の深部組織に刺激を与えることでコラーゲンなどの弾性組織の産生を促すことも可能です。
美容鍼灸の主な効果
など、多くの美容効果を望むことができます。
鍼灸治療による美容効果はWHO(世界保健機構)でも認められており、注目を集めている分野です。
美容鍼灸師の仕事内容は?
美容鍼灸師の仕事の特徴としては美容の分野に特化して鍼灸施術を行う点です。
お客様のお肌、体調などの悩みを丁寧にカウンセリングし、お顔や頭部のみに鍼を行ったり、全身を整えるために身体にも鍼やお灸を行ったりとアプローチ方法は院によって様々です。
美容鍼灸はお顔の施術は必須で施術する院がほとんどですので、お顔にのみ鍼でアプローチするものを美容鍼、
お顔のみでなく全身に鍼やお灸でアプローチするものを美容鍼灸と区別されることもあるようです。
また、美容鍼灸を取り入れている院では鍼灸治療の他にも
「小顔矯正」「骨盤矯正」「痩身」「脱毛」「フェイシャルマッサージ」などのメニューを多数取り入れている院もあり、特に痩身や脱毛技術については鍼灸の授業で学ぶことはありませんので入職後にしっかりと研修を受ける必要があります。
美容鍼灸の仕事のやりがいって何?
人に感謝されたり、笑顔になってもらえた時にやりがいを感じられるという方は多いのではないでしょうか。
美容鍼灸師は、お客様の満足度を直に感じられます。
即効性のある施術ですぐに効果を実感して喜んでもらうことができますし、美容のお悩みだけではなく体の不調や悩みを解消する手助けをすることも可能です。
治療を通してお客様と信頼関係も築くことができます。
気になる美容鍼灸の給与・年収は?
美容鍼灸師の給与、収入は勤務先の給与体系や経験の差によって大きく異なります。
鍼灸院や整骨院、病院などの医療施設で働く場合、約300〜400万前後が平均的な年収となりますが、
経験を積んで独立、開業した美容鍼灸師の中には、年収700万〜1000万円以上の収入がある人もいます。
美容鍼灸師が活躍する場所や就職先は?
鍼灸師の就職先としてもっとも多いのが鍼灸院や接骨院をはじめとした医療施設や福祉施設等です。
スポーツ業界からの需要も高いのでスポーツトレーナーとしての道もあり、鍼灸師の活躍の場は多く存在しますが、
美容鍼灸師として最も活躍できる場としては美容業界を目指すのが1番でしょう。
美容鍼灸サロン・エステサロン・美容クリニック
美容に特化した現場は、他の治療院に比べ美容鍼灸を行える機会が多いのでその分多くの経験をつむことができます。
サロンやクリニックにしか卸せない美容商材を扱うことも多いので鍼灸治療に留まらず美容分野の知識を幅広く身に着けたいという方にもおすすめです。
レディース鍼灸サロン
美容鍼灸に加えて婦人科系の疾患治療に特化した女性向け、女性専用の鍼灸サロンも増えています。
ホスピタリティを持ってよりデリケートなお悩みに寄り添いたいという方にぴったりです。
開業
鍼灸師は独立開業も可能な職業ですので、治療院に勤めて経験を積んだり自身のこれまでの経験を活かして独立開業を目指すことも可能です。
マニュアルにとらわれず自分のペースで一人一人の患者様としっかり向き合うことができ、頑張り次第で高収入も目指せます。
美容鍼灸師になるには?
美容鍼灸師になるためには、まず「はり師、きゅう師」の国家資格が必要となります。
はり師・きゅう師の資格を取得するためには、鍼灸についての専門課程がある厚生労働大臣により認定された大学や短期大学、専門学校に通い、少なくても3年間学んで規定の課程を修了しなければいけません。
美容鍼灸師を目指すのであれば、はり師ときゅう師の国家資格を取得した後で美容鍼灸を行う院に就職し経験を積んだり、セミナーや勉強会に参加するなどして美容についての知識も勉強する必要があるでしょう。
また、美容鍼灸師を目指す近道として美容鍼灸の授業を取り入れている認定校に進学するという方法もあります。
需要の増加に伴い、美容鍼灸を学べる学校は年々増えています。
どんな講師の先生がいて、どんな術式の美容鍼灸を学ぶことができるのかなど、これから鍼灸師を目指すという方は希望の認定校にどのようなカリキュラムが存在するのかを調べてから比較検討することをおすすめします。
学生のうちから美容鍼灸を学べるというのは大きなメリットですが、基本のカリキュラム+ゼミやクラブなどの付帯授業として取り組む学校が多いのでその分多くの時間勉学に励むかたちとなります。
1番の目的は「国家試験合格」ですので、覚えることも多く大変なことですが学生のうちから美容を学べる環境というアドバンテージは最大限活かせるよう時間を有効活用しましょう。
そもそも鍼灸師(はり師・きゅう師)ってどんな資格?
美容鍼灸師になるために必須の資格である「はり師・きゅう師」の資格について解説します。
東洋医学を基本としている鍼灸治療では、体に300箇所以上ある経穴(ツボ)を鍼や灸を使って治療していきます。
鍼で刺激を与えたり、もぐさを使って熱の力で温めたりすることによって患部を治療したり、自然治癒力を引き出して免疫力を高めたりすることができるのが特徴となります。
美容鍼灸師が学ぶ内容は?
美容鍼灸は保険診療ではなく自費(自由診療)になるので、内容は多岐にわたりメニューの自由度も高いです。
行うメニューによってセミナーや講習を受講する必要があったり、機器を取り入れるなどコストもかかりますが、その分他のサロンや治療院との差別化を図ることが可能です。
美容鍼灸は健康に基づく「美」を提供する技術のため、当然ですが美容鍼灸師を目指す前に鍼灸師として正しい知識、技術を身に着ける必要があります。
基礎をしっかりと学んだうえで美容についての勉強を始めましょう。
お顔はデリケートな部位になりますので、内出血などのリスクを最低限に抑えるためにも基礎の技術やリスク管理などの意識がより重要となります。
また美容鍼灸では知識、技術の他にホスピタリティも求められるのでタオルワークや接遇なども学生のうちからしっかり学ぶことが大切です。
美容鍼灸師に必要な資格は?
前述の通り、国家資格であるはり師・きゅう師の資格が必須となります。
導入するメニューによっては講習や認定証が必要になることもありますが、他に必須の資格はありません。
ですが自分がお客様の立場になって考えたときに大切なお顔を任せたいと思えるのは【知識、経験が豊富な美容鍼灸師】と【なんの実績もない美容鍼灸師】どちらでしょうか。
前者を選ぶ方が圧倒的に多いと思います。
【選ばれる美容鍼灸師】になるために、資格はひとつの指標にもなりえますので美容鍼灸師を目指すうえでおすすめの資格をご紹介します。
こちらの資格は実技・筆記の試験の他に所定の実習時間か実務経験をクリアする必要がありますが、鍼灸の認定校でも資格取得のサポートを行っている場合があります。
東洋医学、中医学といえば漢方のイメージがある方も多いのではないでしょうか。
漢方同様に自然由来の精油を使用し、自然治癒力を高める効果があるアロマは需要も多く、漢方薬学とアロマの理論を融合した漢方アロマも存在します。
マッサージなどの院内メニューにとどまらず、ホームケアにも取り入れることができるので治療の幅がぐんと広がります。
他にも栄養学やファスティングなどの内面から健康や美容にアプローチできる資格を取得することで就職活動時や開業後にも周りに大きく差をつけることが可能です。
美容鍼灸師を目指せる学校は?
現在、美容鍼灸を学ぶことができる学校はかなり多く存在します。
最も多いのは関東、特に東京に集中していますがまずはお住いの地域の学校を調べてみましょう。
※目指せる職業の一覧に美容鍼灸の記載がある場合でもカリキュラムに美容鍼灸が含まれていないこともありますのでご注意ください。
はり師きゅう師の資格が取得できれば美容鍼灸師は目指せますので決して誤表記ではありませんが、カリキュラムや付帯的に授業に組み込まれていない場合は在学中に美容鍼灸を基礎からしっかり学ぶことは難しいでしょう。
今後も美容鍼灸を取り入れる学校は増えることが予想できますので、今現在自分の住む地域に美容鍼灸が学べる学校が見当たらないという場合は直接学校に問い合わせをしてみるのも良いかもしれません。
問い合わせがきっかけで美容鍼灸を学べる環境を整えられるよう検討する学校が増えると今後の鍼灸治療家業界はさらに盛り上がるでしょう。
重複しますが、美容鍼灸師を目指すにあたってはり師、きゅう師の資格は「必須」です。
必ず国が定めた認定校を探すようにしてください。
・厚生労働省,あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師等養成施設,https://youseijo.mhlw.go.jp/.最終アクセス2022年11月21日
鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師を目指せる学校
鍼灸の資格取得までにかかる費用ってどれくらい?
比較的費用を抑えられる鍼灸単科校(はり・きゅうの資格取得のみに特化した専門学校)でも300~400万ほどかかります。
美容鍼灸を学べる学校であれば、白衣費用、教材費や参考書費用以外にも付帯授業の受講料、教材費が別途かかる場合がありますので入学前にしっかり調べるようにしましょう。
美容鍼灸師になるうえで学校選びのポイントは
出来るだけ自分が将来どんな美容鍼灸師になりたいのかをイメージできると、行きたい学校が選べるようになります。
美容鍼灸の最前線で活躍されている先生が講師に来てくれる学校や、美容鍼灸が受けられる治療院と提携、または併設されている学校などもあります。
漠然としたイメージだけで具体的な進路が決まっていない方は、早くから美容鍼灸を取り入れている学校がおすすめです。
美容鍼灸のカリキュラムが新設されたばかりの学校と比べて設備やフォロー体制が整っているので、実習内容も充実しています。
美容鍼灸師の魅力
美容鍼灸は今後も発展していく分野であることは間違いないでしょう。
鍼灸師は国家資格かつ独立開業ができる数少ない職業のひとつですので、ニーズに合わせて美容鍼灸師を目指す方も今後ますます増えていくのではないでしょうか。
美容鍼灸の可能性
鍼灸治療を利用した美容法というのは従来のエステなどと異なり、お顔へのアプローチのみに留まらず全身のバランスを整えることで心と身体、美容と健康へ広くアプローチしアンチエイジングを目指すことが可能です。
アンチエイジング(anti-aging)とは抗加齢・抗老化を意味し、広義的には若々しく健康な心と体を維持することに繋がります。
時代は病の治療だけではなく予防にも着目し注力されており、美容業界でも健康の重要さは再認識されておりターゲット層は老若男女を問いません。
アプローチ方法も多く、美容面でも健康面でも心身ともにケアすることのできる美容鍼灸師はさらに需要の高まる職業であるといえるでしょう。
美容鍼灸師に向いている方
美容が好き、美容と健康の両面から人を喜ばせたい、笑顔にしたいという気持ちと意欲があれば美容鍼灸師として活躍することができるでしょう。
デリケートなお悩みを持ちなかなか人に相談できないという方もいらっしゃるので、聞き上手な方も日々やりがいを感じられると思います。
少しでもあてはまると感じられた方、まずは一度美容鍼灸を受けてみてその魅力に直接触れてみてはいかがでしょうか。
記事を書いた人
山﨑 沙世子
現在:お茶の水はりきゅう専門学校1年
経歴:エステティシャン、美容外科クリニックカウンセラー
資格:CIDESCO・INFA国際ライセンス・AJESTHE認定上級エステティシャン・AEAJアロマテラピー検定1級・JNECネイリスト検定3級・JNAジェルネイル技能検定初級
美容業界、治療家業界の今後の発展と可能性に惹かれ鍼灸師を目指す
関連記事
鍼・灸・あん摩マッサージ指圧師編/柔道整復師編
国試黒本の購入はこちら