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これが正解!履歴書の書き方

治療家業界に特化した就職・転職支援サービスとして、業界最大級のウィルワンエージェントで、学生を専門に就職サポートを行うキャリアパートナーの山田さんにお話を伺いました。

記事を書いた人

山田 陽

株式会社エス・エム・エス ウィルワンエージェント キャリアパートナー
柔道整復師 帝京平成大学卒業
 
高校までクラブのサッカーチームに所属。サッカーをプレーする中で多くの怪我に見舞われ、「怪我の予防・選手の怪我に寄り添える治療家になりたい」と考えて柔道整復師資格を取得。
現在は治療家業界に就職をする学生に向けて、自身の経験や業界の市況を伝え、有資格者がキャリアについて悩むことがないよう就職活動のサポートをしている。

超売り手市場の治療院業界では、学生時代に就職活動の基礎を教わらなかったという方が少なくありません。
履歴書の書き方や記入のポイントを知らずに就職活動・転職活動を始めてしまう方もいるほどです。

しかし、柔道整復師・はり師・きゅう師・あんまマッサージ指圧師の資格者は近年増加傾向にあり、企業が求職者を評価する基準も年々上がってきています。
これまで大目に見られていた面接マナーや履歴書の書き方も合否に影響するようになってきました。

履歴書は求職者の人となりがよく表れます。希望の就職先を勝ち取るため、王道で間違いのない履歴書の書き方と、間違えやすいポイントを解説します。

履歴書があなたの第一印象を決める

履歴書を作成するにあたって覚えておきたい基本的なルールがあります。

例えば、空欄をつくらない、西暦と和暦のどちらかに統一して記入する、在職中の場合は職歴の最後の行に「現在に至る」と記入する、などです。

読者の中には「堅苦しいな。会って話せば分かるのに」と思う方もいることでしょう。しかし、ルールに従って記入することがあなたの第一印象を決めると言っても過言ではありません。

履歴書で見られているのは「常識のある人かどうか」という部分なのです。お互いに異なる価値観や個性がそのままぶつかってトラブルになるのを防ぎ、気持ちよく過ごすために存在するのがルールです。

ルールを守れないということは、最低限のことすら守れない人間だとも言えます。企業は履歴書を見てあなたという人間を判断することを忘れないようにしましょう。

志望動機には「NGワード」がある

志望動機の欄もつまずきやすいポイントの一つです。少しの工夫の違いが採用担当者からの評価を左右します。

例えば、「説明会で話を聞いて、成長できる環境だと思い志望しました」といった、誰でも言えるような、応募者の人柄が全く見えない志望動機はNGです。

応募企業ごとに志望動機を考えずに済むので楽になるという気持ちは理解できます。
しかし、毎年多くの履歴書を見ている採用担当者からすると、「ああ、他の企業でも使っているのだろうな」と白けてしまいます。
空欄で提出した方がまだマシと言えるほど印象が悪くなるので、同じ文章の使いまわしはやめましょう。

おすすめは、志望企業が強調していることを自分の志望動機と結び付けて記入することです。
このことは他業界では常識なのですが、治療院業界では自分のやりたい事を記入するだけで会社に関する内容が全く記入されていない履歴書をしばしば見かけます。

残念なことに、治療院業界では企業のコーポレートサイトやパンフレットを見ている学生や転職者が驚くほど少ないのです。

採用担当者はライバル企業より求職者にアピールしたいと知恵を絞ってコーポレートサイトやパンフレットを作成しています。
にもかかわらず、実際に面接で確認するとほとんどの人が見ていないのです。

採用担当者も人です。自分が時間をかけて作成したものを相手がきちんと見てくれていることが伝わるだけで印象が良くなるものです。
応募者にとっても、自分の志望動機と結び付けようとすることで、本当にこの会社は自分に合うのかどうかを確かめることもできます。

字のうまい下手より注意すべきこと

手書き・パソコンのどちらで書いても特段の影響はありません。心配であれば事前に採用担当者に確認しておきましょう。

それよりも注意しなければいけないことは、字のうまい下手ではなく気持ちを入れずに適当に記入することです。
時間のない中適当に記入した履歴書は採用担当者にはひと目で見抜かれると思ってください。

履歴書は応募者の人柄を表すものです。「履歴書を適当に書くような人は仕事も適当にやるに違いない」と判断されます。

逆に、一生懸命記入した履歴書は字が汚くても気持ちが伝わってくるものです。
面接でも何気なく話を振ったときに、下書きして何度も直して一生懸命記入したことが伝わってくると、「真面目な性格だな」と評価が上がります。

1文は長くても50~60文字以内に

文章の長さにも気を付けましょう。1文は長くても50~60文字以内に抑えることを意識してください。

人は文章を読むとき、「理解する」という行為と「記憶する」という行為を両立させています。長すぎる文章は最初の方の内容を忘れることもあり、読み手に再度の確認を必要とさせます。

文章を短くすることは、余分な部分をそぎ落とすということです。相手にとって読みやすい文章が書けるということは、コミュニケーション能力が高いと判断され、面接でも評価が上がります。

自分の考えをしっかり相手に伝えることは社会人にとって重要な能力です。特に人対人の仕事である治療家にとっては必要なスキルなので意識しましょう。

転職の場合は職務経歴書も作成しよう

転職の場合は職務経歴書も作成しましょう。職務経歴書を作成していない応募者が多い中、採用担当者に熱意をアピールできます。

口下手で自分のアピールポイントを上手に伝えられない求職者にとっては、自分の魅力をアピールしてくれる強力な味方にもなります。

作成する際のポイントは退職理由をポジティブに記入することです。
さまざまな理由で転職活動をするわけですが、職場環境の不満を前面に出すのはネガティブなイメージを与えることになるので避けた方が良いでしょう。

徹底解説!履歴書でみんなが間違えるポイント

全般

①汚れている・誤字脱字がある・修正テープが使ってある

履歴書の作成には時間がかかるもの。せっかく丹精込めて書き上げた履歴書に、お茶が数滴かかってしまったら…1文字だけ誤字が見つかったら…
また書き直すのには時間も労力もいるから、そのまま出してしまいたい、修正テープを使ってしまいたい、という気持ちも非常にわかりますが、非常識です。
そんなことになっても書き直す時間と労力を確保できるように、できるだけ早めに作成を始めておきましょう
下書きを書く日と、清書する日を分けるのも一つの手です。

また、誤字があっても直せるように、と、消えるボールペンで履歴書を書こうとする方もたまにいらっしゃいますが、絶対NGです。
他の人が修正したり改ざんしたりできる、信頼性のない書類になってしまいます。
水性・油性は問わないので、きちんと消えないボールペンで丁寧に書くようにしましょう。

②しわがついている・下書きの跡が残っている

シャープペンシルで下書きしその上からボールペンでなぞったはいいものの、消し残しがあった、消すときにインクがにじんでしまった、力を入れすぎてしわができてしまった、などもよく聞くケースです。
丁寧に書こう、という気持ちはとっても素晴らしいので、消し終わるまで細心の注意を払いましょう。
跡が残りにくいように少しやわらかい芯で書く、インクはしっかり乾かす、などの工夫をしましょう。

③匂いが付いている

たばこを吸いながら作成し、履歴書に匂いが移ってしまったことで「履歴書がたばこくさい」と不採用になったケースがあります。
また、逆に文香のようなイメージで履歴書に香水を振りかけた、という方も過去にいらっしゃいました(不採用にはなりませんでしたが、残念ながら良いイメージは持たれませんでした)。
よっぽどのことがない限り、紙に匂いがつくことはありませんが、気を付けておけると良いでしょう。

証明写真編

④はみ出ている・曲がっている・糊付けが甘い

証明写真が枠からはみ出ていたり、曲がっていたり、きちんと貼られていない履歴書をよく見かけます。
証明写真を切って貼るのにかかる時間は3分もかかりません。
「その3分すら自社に割く気がない」と評価されます

証明写真は事前に用意し、余裕を持って履歴書作成するようにしましょう。

⑤写真が古い・スーツをきちんと着用していない

一般的に、証明写真は3ヶ月以内に撮ったものを使うのがセオリーです。
1ヶ月前の写真で髪型が違うくらいなら問題ありませんが、入学時に撮った3年前の写真などはNGです。
また、私服で撮る・ノージャケットで撮ることはできるだけ避けましょう
常識がないと思われるだけでなく、ズボラな人という印象を採用担当者に与えてしまいます。

学歴・職歴編

⑥西暦と和暦が混在している

生年月日は平成なのに学歴や職歴は西暦になっている、といった履歴書も残念ながらよくあります。
こちらも、簡単なルールを知らないと思われてしまうので、注意しましょう。

⑦記載漏れがある

学校の中退や転学、短い期間での転職などについて、記載をしない方がたまにいらっしゃいます。
経歴に謎の空白ができ、面接で質問されて初めて答える、というパターンが多いですが、そんなつもりがなくても面接官からは「隠していたのかな?」と不信感を持たれてしまいます。

また、転職活動をしている方で、まだ在職中の場合は、職歴で現在の職場の入社時期を記入した後、下の行に「現在に至る」という一文を付け加えることも忘れないでください。

ちなみに、学生時代のアルバイトは職歴欄に記載する必要はありません。絶対書いてはいけない、というわけではないですが、基本は書かないもの、として認識しておきましょう。

志望動機・自己PR編

どのような内容を記載すればよいか、も重要ですが、ここでは形式的な部分の注意点のみピックアップします。

⑧日本語的におかしい

1文が長くなると、接続詞が重なり、違和感のある文章になりやすいです。

極端ですが、場合によっては、自分で思いつきのまま書いているだけで、相手に伝えようとする努力が見えないと判断されます。

治療家は患者様の些細な変化を身体面だけでなく表情や会話からキャッチし、心まで笑顔にしなければならない仕事です。
自分が作成した履歴書を見て相手が抱くであろう違和感を感じ取れない人が、患者様の心の変化まで気づくというさらに難しい仕事が務まるでしょうか?

文章力に自信がない方は、作成した文章をチェックしてもらうようにしましょう。また、1文を2文にわける、など文章を細かくすると、違和感がでにくいですよ。

まとめ:ライバルに差をつける履歴書で夢を叶えよう

超売り手市場の治療院業界では履歴書の書き方にまで気を配る応募者は少ないのが現状です。
しかし、資格者が毎年増えていく中で希望の就職先に入社する確率を上げるには有効な手段の一つでもあります。
作成する中で本当に就職・転職したいのか、自分の求める就職先であるのかを見極めることにもつながるかもしれません。
ライバルに差をつける履歴書で自分の夢を実現する就職先への入社を実現しましょう。

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