鍼灸師の「就職先」10のパターンを徹底解説!
キャリア・働き方
鍼灸師
治療家業界に特化した就職・転職支援サービスとして、業界最大級のウィルワンエージェントで、学生を専門に就職サポートを行うキャリアパートナーの服部さんにお話を伺いました。
記事を書いた人
服部 希美
株式会社エス・エム・エス ウィルワンエージェント キャリアパートナー
はり師・きゅう師 呉竹鍼灸柔整専門学校卒業
元自費型鍼灸整骨院院長、トレーナー経験(バスケ・ラクロス・ラグビー)
大学時代にトレーナー活動を経験、卒業後は鍼灸の専門学校で資格取得後、自費メインの治療院に就職しスポーツ外傷から美容鍼、物理療法まで幅広く経験し、院長も務めた。
現在は治療家業界に就職をする学生に向けて、自身の経験や業界の市況を伝え、有資格者がキャリアについて悩むことがないよう就職活動のサポートをしている。
2018年から、鍼灸師も実務経験を積めば機能訓練指導員として働くことが出来るようになり、鍼灸師の勤務場所はどんどん増えています。
今回は、鍼灸整骨院以外にも広がる鍼灸師のニーズと、就職先として考えられる10のパターンを徹底解説します。
スポーツや美容の分野にも広がる鍼灸師のニーズ
鍼灸師は、はり・きゅうを使い、東洋医学に基づいた治療を行います。
手技や機械では届かない、筋肉の深層までアプローチ出来るだけでなく、西洋医学では分析できない不定愁訴を改善することが可能です。
近年は、医療機関と連携した研究が進み、治療効果のエビデンスが積み重なっていたり、美容分野で注目を浴びるなどして、鍼灸治療に対する認知度・信頼度も高まっています。
トレーナーなどのスポーツ分野でも鍼灸師の方の活躍が目立ってきたように思います。
また、かなり特殊なケースではありますが、スパを運営する会社が、豪華客船内での鍼灸治療提供に踏み切り、豪華客船の中で働いている鍼灸師もいます。
鍼灸師の就職先は多岐にわたり、さまざまな業界でその知識やスキルが求められています。
鍼灸師には具体的にどのような就職先があるのでしょうか。早速、10のパターンをみていきましょう。
鍼灸師の就職先1:鍼灸整骨院
鍼灸整骨院はもっとも一般的で、採用枠も大きい就職先です。
近年は肩こりや腰痛など慢性的な症状に対した施術、ダイエットのサポートなどの自由診療を取り入れる院が増えてきています。
一概に鍼灸整骨院といっても、鍼灸治療の院内普及率やセールスポイントはそれぞれに異なることも多いため、自分がどんな施術をしたいかなどをしっかり見極めて、就職先を選ぶようにしましょう。
鍼灸整骨院で働く場合、就職先によって収入も待遇も大きく異なります。そこで、2023年1月20日現在の鍼灸整骨院の求人の給与・待遇を調査してみました。
▽複数の求人からみた鍼灸師の鍼灸整骨院における給与・待遇例
A院 | B院 | C院 | |
---|---|---|---|
月給 | 24万円~ 賞与年2回(1-2ヶ月分) |
24~32万円(週休1.5~3日) 賞与なし |
20万円+歩合(実績:初月26~27万円) ※売上の40%をスタッフの能力に合わせて配当 賞与年2回 |
休日 | ・日曜日+シフト制の月8日休み ・夏季休暇・年末年始休暇あり |
・土曜午後・日曜・祝日休み+シフト制 ・GW休暇・お盆休暇・正月休暇・ハネムーン休暇(4日) ・1.5休/完全週休2日/土日固定休/2.5休/完全週休3日/時短勤務 選択可 |
・週休2日 ・夏季休暇・年末年始休暇あり |
その他 | ・鍼灸割合全院合計平均70%以上(50 – 90%) ・東洋系の鍼灸治療がメイン ・交通費支給(全額支給) ・営業時間8:00~20:00 平均退社時間21:45 |
・鍼灸メニューは現在立ち上げ中 ・20:20完全退勤 ・営業時間外の勉強会なし ・交通費支給(全額、ただし、転居手当をもらう場合は交通費と相殺) |
・鍼灸割合20%程度 ・書籍代支給(月上限10,000円) ・セミナー代支給(月上限30,000円) ・昼食代支給(売上80万以上達成が条件) ・学費一部負担(入社後、新たに資格を取りたい場合) ・飲み会やイベント、レクリエーション(全額、会社負担) ・交通費支給(全額) |
表はあくまで一例ですが、同じ鍼灸整骨院でも、鍼灸割合・給与・休みの取り方・福利厚生の内容が全く異なりますよね。
鍼灸師の方の中には、「鍼灸整骨院だと柔道整復師がメインで鍼灸師はあまり鍼灸治療ができない」と聞いたことがある方もいるでしょう。
実際はどうなのでしょう。
全国的には、鍼灸割合20-30%程度が、鍼灸整骨院の平均の鍼灸割合です。
こう聞くと、鍼灸整骨院では鍼灸治療ができなさそうな印象を受けますよね。
ただし、鍼灸整骨院は、他の業態と比べて来院数が多いことが特徴です。企業や地域にもよりますが、一日20~100人程度の患者様が来ます。
そのため、鍼灸割合20%の鍼灸整骨院の方が、鍼灸院よりも鍼灸治療の経験が積める場合もあるのが現状です。
また、給与については、基本給にみなし残業代が含まれている院がほとんどです。
みなし残業とは、1か月で発生するであろう、おおよその残業時間のことです。
みなし残業代含むとは、一定時間分のみなし残業分の賃金を基本給のなかにあらかじめ組み込んで支払うことを指します。
たとえば、基本給18万円+みなし残業代4万円=月給22万円、といったようなかたちになり、みなし残業代を含む給与体系の場合は、「毎月、一定時間の残業がある」と考えていいでしょう。
なお、その月の実残業時間がみなし残業時間を下回った場合でも、残業しなかった時給分が給与から差し引かれることはありません。
C院は基本給に歩合も上乗せされるケースです。経験を積み患者様から指名を受けるような施術者になれば、月給50万円を超えることもあるようです。
鍼灸師の就職先2:鍼灸院
鍼灸院は、求人の数としては圧倒的に少ないのが現状です。人材の増員を考えていても、1~2名で、知り合いの先生へのお声がけで十分採用ができるので、求人を出す必要がない、という鍼灸院が多いことが背景にあります。
求人の数は少ないですが、鍼灸治療を求めてくる患者様がほとんどである、という点で、鍼灸院の求人は非常に人気が高いです。
一方で、鍼灸院での勤務=鍼灸治療がたくさんできるというわけではないため、注意も必要です。
鍼灸整骨院の来院数が一日20~100人程度であるのに対して、鍼灸院の来院数は、全国平均が一日2名程度、という情報もあり、場合によっては鍼灸整骨院で働く方が経験を積める可能性もあります。
詳しくは、求人票の読み解き方!~「思っていたのと違う!」とならないために~の中で、鍼灸院で働くときの注意点を解説しているので、参考にしてみてください。
数少ない鍼灸院求人ですが、就職する場合、収入や待遇はどうなるのでしょうか。現在の鍼灸師の給与・待遇を調べてみました。
▽複数の求人からみた鍼灸師の鍼灸院における給与・待遇例
A医院 | B医院 | C医院 | |
---|---|---|---|
月給 | 23万円~ | 22~万円 | 20万円~ |
休日 | ・週休2日(鍼灸1人デビューできたら) ・夏季、年末年始休暇あり |
・週休2日 ・火曜日・祝日+他1日(シフト制) |
・週休2日 ・GW、夏季、年末年始休暇あり |
その他 | ・1日あたりの来院数40名程度 ・交通費支給(全額) ・週5日勤務の内、1日は丸々勉強会 |
・1日あたりの来院数7~8名程度 ・交通費支給(全額) ・訪問鍼灸マッサージ業務も兼任 |
・1日あたりの来院数30名程度 ・交通費支給(上限15,000円) ・女性スタッフのみ |
公募での求人がある鍼灸院は、来院数も一般的な鍼灸院よりも多いことが特徴ですね。しっかり患者様が来てくれているからこそスタッフを募集したい、ということでしょう。
ちなみに、例に挙げた鍼灸院ですが、それぞれ、神奈川県、愛知県、兵庫県にあります。知人の紹介で鍼灸院の求人が見つかるのであれば話は別ですが、特に人脈のない状態から鍼灸院の就職先を見つけるのはかなり骨が折れます。引っ越しも検討したうえで幅広いエリアで探す必要が出てくるかもしれません。
より鍼灸院での就職率を高めるために、日ごろから勉強会などに参加することもおすすめです。「知り合いの先生へのお声がけで十分採用ができる」と前述いたしましたが、その「知り合いの先生」のネットワークの中に入ってしまえば、個別に声をかけてもらえる可能性も高まります。
鍼灸師の就職先3:美容鍼灸サロン
近年、美容鍼灸が広く認知され注目されているという背景から、美容鍼灸を専門に扱っている院・サロンも増えてきています。
専門的な技術を持ちつつも、ゴージャスな院内環境でメニューを提供する院が多く、鍼灸院とエステサロンの中間のような存在になっています。
女性のお客様がメインであることが多いですが、美容に興味を持つ男性も増えており、男性のお客様がいらっしゃる院もあります。
また、美容鍼灸、というとお顔への鍼治療をイメージしがちですが、肩凝りなどによる姿勢の悪さが顔の美しさに影響を与えている、というような考え方から、顔だけでなく全身の治療も行う院もあります。
美容鍼灸専門で院展開をしている企業様もあれば、グループ整骨院の中の一院が美容専門になっていることもあり、運営の方針も様々です。
単価も高く、やりがいにつながりやすい美容鍼灸ですが、人気が高いため、採用ハードルが高く、選考が長引きやすい傾向にあります。
院によってもちろん選考フローは異なりますが、長い所だと4~5次面接まである院もあるため、内定をもらいたい時期から逆算して、早め早めに就職活動をすることをおすすめします。
また、入社した方から、ギャップに感じたと伺うことが多いのが「ノルマの高さ」です。こちらも企業によって異なりますが、中には入社後1人で100人以上の知人に声をかけ、30人以上をお客様としてお連れする必要があるところもあります。
求人数はそこそこにあるものの、採用のハードルが高い美容鍼灸サロン。チャンスを逃さないように早めに動きつつ、万が一のために「専門ではないが、美容に強い鍼灸整骨院」なども併せて見ておけると良いかもしれません。
鍼灸師の就職先4:リラクゼーションサロン・エステサロン
鍼灸治療は、東洋医学を元にしている背景から、アロママッサージやタイ式マッサージ、カイロプラクティック、リフレクソロジーなどとも非常に相性が良い傾向にあります。
東洋医学に基づいたケアが注目を集めていることもあり、リラクゼーションサロンでも、鍼灸師が重宝されることがあります。
むしろ、リラクゼーションサロンなどを経験したうえで、より「さらに学術的な知識を身に着けたい」という思いから、鍼灸師を目指す方がとても増えています。
国家資格を持つセラピストとしての付加価値をあげれば、他のセラピストとの差別化も図れ、ニーズも高まるでしょう。
エステサロンにおいても、リラクゼーションサロンと同じようにお客様の体に直接触れるため、鍼灸師の知識や経験を十分に生かせます。
また、女性の鍼灸師にとって女性スタッフの多いエステサロンやリラクゼーションサロンは働きやすい職場でもあります。ライフステージに合わせた働き方が可能だったり、育児休暇などの福利厚生が充実していたり、女性が働きやすい仕組みが整っていることが多いためです。
鍼灸師の就職先5:リハビリ施設
高齢化による人材不足の背景から、2018年より、機能訓練指導員がいる事業所で6ヶ月以上の実務経験を積めば、鍼灸師も機能訓練指導員として勤務することが可能になりました。
リハビリ特化型デイサービスなどの介護福祉施設では、法律に基づき、機能訓練指導員を施設ごとに必ず一人以上、配置しなければなりません。
利用者のリハビリを担当することはもちろん、身体機能を評価し、どのような機能訓練が必要か判断したり、機能訓練計画表を作ったりすることも機能訓練指導員の役割です。
比較的最近機能訓練指導員として活躍できるようになったばかりの鍼灸師ですが、その専門的知識は各事業所で求められている傾向にあります。
▽複数の求人からみた鍼灸師の介護施設における給与・待遇例(6ヶ月の実務経験後)
A施設 | B施設 | C施設 | |
---|---|---|---|
月給 | 23.5~27.9万円 | 25~30万円 | 20万~ |
休日 | ・変形労働時間制 ・年間休日124日 ・夏季休暇あり |
・完全週休二日制 ・夏季・年末年始休暇 ・長期休暇 ・特別休暇 |
・土日祝日休み ・夏季・年末年始休暇 |
その他 | ・残業月5時間程度 ・交通費支給 ・家族手当 ・住宅手当 ・資格手当 ・食事手当 ・夜勤手当 ・財形貯蓄制度 |
・残業月10時間程度 ・交通費支給 ・資格手当 ・昇給あり ・研修制度あり ・副業OK |
・交通費支給 ・住宅手当 ・昇給あり ・治療賠償保険完備 |
デイサービスでは、鍼灸整骨院・鍼灸院以上に、利用者様の利用時間が決まっており、残業時間が少ないため、家庭を持ちながら働く方も多くいらっしゃいます。
一方で、鍼灸治療はできないことが多い、送迎(運転)業務も兼任が必要になる、院長などの役職がある鍼灸整骨院と比べて昇給がしづらいことはデメリットとして挙げられます。
また、リハビリ施設への応募を考えている場合は、求人の探し方にも注意が必要です。
求人サイトなどで、「リハビリ施設の求人 鍼灸師募集 未経験歓迎」と記載があっても、実態は、「鍼灸師の場合は、実務経験がありすぐに機能訓練指導員として働ける方のみ」という場合もあります。
求人票にその旨の記載があれば良いですが、そもそも事業所側が、「鍼灸師は実務経験を積まないと機能訓練指導員として働けない」ということを理解していないケースもあります。
もし、機能訓練指導員が未経験で、応募を考えている際は、応募前や書類選考の段階で、「初めの6ヶ月は機能訓練指導員として働けないが、問題ないか」を企業側に確認しておけると良いでしょう。
鍼灸師の就職先6:訪問鍼灸
数は多くはありませんが、往診治療の現場でも鍼灸師は活躍できます。担当者として実際に利用者の自宅を訪れ、身体機能訓練などを行います。
リハビリ施設や介護施設と異なるのは、利用者の自宅で行うため、実際の生活シーンに即した訓練もあわせて行えるという点です。
歩行練習やトイレ、入浴、家事などの動作、外出の訓練など、日常生活に直接つながる活動へ働きかけることができます。
また、ご家族に対してより実践的な介助方法や過ごしやすい環境の整え方などのアドバイスも可能です。利用者一人ひとりの心身に合わせたリハビリを行えることは、訪問鍼灸での大きなやりがいといえるでしょう。
残業が少なく、ご自身のライフスタイルに合わせて勤務時間を調整しやすいですが、リハビリ施設同様、鍼灸治療ができないことが多く、運転が必要になることはデメリットとも言えるでしょう。
訪問鍼灸の、鍼灸治療ができない理由として、基本的にご利用者様のご自宅に一人で行くこと、が挙げられます。
設備が整っている院内と異なり、ご利用者様の自宅で、しかも自分一人で行く、となると、何か事故があったときに責任を取り切れません。
治療事故だけでなく、鍼灸器具の置き忘れなどのリスクがあることから、鍼灸治療は不可、もしくは刺す・火をつけるタイプの鍼灸治療はNGとしている事業所がほとんどです。
また、リハビリ施設同様、訪問鍼灸も求人の探し方にも注意が必要です。
求人サイトなどで、「往診スタッフ募集 鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師募集」という記載があっても、「あん摩マッサージ指圧師も持っている鍼灸師を募集」という場合が多いです。
もし、あん摩マッサージ指圧師の資格を持たずに往診業務への応募を考えている際は、応募前や書類選考の段階で「あん摩マッサージ指圧師の資格を持っていないが、応募が可能か」を企業側に確認しておけると良いでしょう。
鍼灸師の就職先7:大学病院
同じく、数としては多くありませんが、病院内で活躍する鍼灸師もいます。
鍼灸外来・麻酔科・東洋医学科などで、鍼灸治療を取り入れている病院があり、その中で働いている鍼灸師がいらっしゃいます。
病院内での鍼灸治療の取り扱い方針によっても異なりますが、Bell麻痺・肩こりなどに対する治療・外傷に対する治療などが経験できるようです。鍼灸治療はもちろん、検査の補助なども行うため、西洋医学に関する知識も必要です。
ただし、そもそも鍼灸治療を取り入れている大学病院自体が全国で20箇所程度と数が少なく、たくさんのスタッフ数を必要としていない背景から、今働いている鍼灸師が辞めなければ募集がでない状況です。
募集が開始された際には、実力のある方を優先的に採用される可能性が高いため、鍼灸整骨院・鍼灸院などでアピールできる実務経験を積んでおくと良いかもしれません。
鍼灸師の就職先8:プロスポーツチーム
厳密には就職ではありませんが、プロスポーツチームのトレーナーとして働く道もあります。
その際は、個人事業主としてプロスポーツチームと業務委託契約を結び、そのチームスタッフとして所属する場合がほとんどです。
スポーツ選手は常に最高の身体パフォーマンスを求められているため、局所に限らないアプローチ方法でコンディションを高められる鍼灸師にとってぴったりの仕事です。
プロスポーツチームへの就職は、門戸が広いとはいえません。また、条件も非常に良いとは言い難い状況にあります。
チーム専属のトレーナーになれば、チームの大会について回るため、自分の都合で休みを取ることが難しいことも多いです。
また、個別に契約を結んで成り立っている仕事ですので、最悪の場合、契約が打ち切られれば、仕事がなくなるということもありえます。
そんな厳しい側面もありますが、それでも、前線で活躍している選手を支えることができる、夢のある仕事です。
プロスポーツ選手を相手に、スポーツトレーナーとして長く活躍することを目指すのであれば、スポーツ医学や栄養学など、鍼灸師以外の知識も身につけていきたいところです。
鍼灸師の就職先9:教員
鍼灸師の養成学校で教員として教壇に立つこともできます。そのためには、国家資格取得後、鍼灸の教員養課程を開講している専門学校において2年間の修業課程を経る、もしくは、大学院を修了する必要があります。
教員は専門学校や大学で鍼灸師になるために必要な教育課程だけでなく、実技も教えることが可能です。
教員養成課程では、教員になるための勉強だけでなく、より実践的な鍼灸治療の勉強ができるため、鍼灸師としてレベルアップをしたい方の入学も多いです。
教員も、未来の鍼灸師を育てる素晴らしい仕事です。興味がある方は、母校の先生方に話を聞いてみるのも良いでしょう。
鍼灸師の就職先10:経験を積んだ後には独立開業という選択肢も
鍼灸師には医師などと同じように独立開業権が認められています。更に鍼灸師の資格取得後に、施術所で1年の実務経験を経た後、施術管理者の研修を受講することで療養費を取り扱えるようになります。
現在、制度移行中に伴い、現学生で2026年2月までに国家試験を受験する予定の方は、実務経験が7日間(49時間)相当で済む特例も認められています。(専門学生・大学生・視覚障害の有無で対象期間が異なります。ここでは割愛します。)
ただし、独立資金の準備や、開業後は経営手腕も必要になるため、実際の実務経験を経ないで開業するのはハイリスクといえます。まずは治療院の現場で鍼灸師として経験を積むのがよいでしょう。
グループ院であれば、院長やエリアマネージャなどの経営感覚を養えるポジションを経験してから独立するのも手です。グループ院によっては、フランチャイズ展開・独立支援などの制度を設けているところもあります。
ワークライフバランスを整えやすい職場は?
鍼灸整骨院の営業時間は9:00~20:00までなど長い場合が多く、開店前準備や閉店後の業務も含めると拘束時間も長くなりやすい特徴があります。
一方でリハビリ施設・訪問鍼灸は、院にくらべると拘束時間が短いため、比較的ワークライフバランスが整えやすいといえるでしょう。
ただし、近年整骨院でも働きやすい勤務時間の院が増えてきています。早番・遅番制度や、週休3日制などを取り入れている院もあるので、面接の際に実働時間について確認するようにしましょう。
まとめ:就職先が増えている鍼灸師。自分の希望に合わせて就職活動をしよう
豪華客船での勤務など、近年、鍼灸師の勤務場所は鍼灸整骨院・鍼灸院に留まらなくなってきています。
ただし、業態によって仕事内容が異なり、鍼灸治療ができる職場は限られます。
どんな施術がしたいのか、どのように働き、キャリアアップしたいのかなどをしっかり洗い出し、自分にあった職場を見つけましょう。