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治療家の就職先選び!ネットの口コミは当てになる?

新年度が近づき、国家試験後に就職活動を考えている学生の方や、新しい職場で心機一転頑張ろうと考えている転職希望の方も多いと思います。就職先選びは人生を左右する一大イベントとも言えるだけに、自分が納得して働ける職場に出会いたいものですね。今回は、会社説明のパンフレットやホームページだけでは見分けがつきにくい会社の本当の姿を見るポイントをまとめてみました。上下2回に分けて紹介します。

口コミを鵜呑みにしてはいけない二つの理由

就職先選びの際、口コミサイトの情報を参考にする人が増えています。実際に働いている社員のリアルな声を知ることができるのが理由でしょう。ただし、内容を鵜呑みにすることは禁物です。その理由は2点あります。

①会社は「良い悪い」ではなく「合う合わない」

例えば、診療後に定期的に勉強会を開催する会社があったとします。「業務終了後にすぐ帰りたい」人にとっては、この会社の印象は「夜遅くまで拘束する会社」というネガティブなものになるでしょう。

しかし、自分の将来を考えて「成長のために自分の時間を使って学ぼう」という人にとっては、「先輩が自分の時間を使って教えてくれる会社」と、むしろ好印象を持ちます。

会社自体は何も変わっていません。そう、どちらが正しいということではないのです。要はどちらが自分に「合う」かなのです。

②口コミは誰が書いているのか分からない

口コミサイトに登録してみると分かりますが、社員かどうかを確認して書き込みを許可しているわけではありません。悪意のある競合他社や個人的にトラブルのあった社外の人間が書き込みをしている可能性もあります。

本人確認をしないまま記入できてしまうところは、一昔前に流行した匿名掲示板の現代版ともいえるでしょう。匿名掲示板が以前ほど利用されず、廃れてしまったのは、その情報の信ぴょう性が疑問視されているからです。

また、最近は口コミをコントロールするサービスを提供している業者もいます。治療院業界に限らず、就活生や転職希望者はネットの口コミで会社を判断する傾向があります。残念なことに、企業の中には、業者にお金を払って口コミを良い印象に見せたり、悪い印象に見せたりするところもあります。

 

勤続年数や離職率を確認しよう

勤続年数や離職率は会社を見分ける重要なポイントです。柔道整復師・鍼灸師は技術職の側面があるので、一つの会社で長く働くというより、必要なものを身に付けたら次に必要なスキルや経験を得られる場所に移り、学ぶという職業観があります。

したがって、業界的に勤続年数は短く、他業種と比較してもあまり参考にはなりませんが、同業と比較して低い場合には注意が必要です。特に注意する必要があるのは、「離職数」ではなく「離職率」です。

例えば、A社は10人採用して3人が退職、B社は100人採用して15人が退職したとします。退職者の数だけを見ると、A社の3人に対しB社は15人もいますので、B社の方が働きにくい会社に見えます。

しかし、離職率だとA社の30%に対し、B社は15%に過ぎません。一般的に、社員の数が多いほど退職者数も比例して増える傾向があるので、離職率を確認した方が会社の本当の姿が見えてきます。

注目すべきは1年以内の離職率でしょう。就職してわずか1年で退職するということは相当な理由があるはずです。

「入社したら会社説明のパンフレットやホームページでうたっていた福利厚生がなかった」「スタッフ同士がギスギスして仲が悪い」「自費診療に力を入れていると聞いたのに保険診療メインだった」「鍼の患者様が多いと聞いていたのに少なかった」「トレーナー活動をしていると言っていたのに実際にはやっていなかった」――。

このように、会社が採用時に本当の姿を見せていない可能性があります。やりたい事のミスマッチがポイントなのではありません。求職者に対して入社前に会社の本当の姿を伝えず、「採用できればよい」というスタンスでいることが問題なのです。

こうした会社は、社員に対する姿勢も同様の可能性があり、就職後1年以内に退職する早期離職者が多い傾向があるので、避けた方がよいでしょう。

では、離職率が低ければ良い会社なのでしょうか。記事の冒頭でも述べたように必ずしもそうではありません。自分に合う会社かどうかを見抜く必要があります。次回は、会社の見学時に簡単に見抜ける方法を紹介します。

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