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絶対内定!(上) ~NG志望動機・面接のポイント5選・頻出質問3選~

治療家業界に特化した就職・転職支援サービスとして、業界最大級のウィルワンエージェントで、学生を専門に就職サポートを行うキャリアパートナーの土居さんにお話を伺いました。

記事を書いた人

土居 怜司

株式会社エス・エム・エス ウィルワンエージェント キャリアパートナー

企業に対して治療家の求人広告の営業を2年経験、その後は治療家の転職支援と学生の就職活動支援を行い、計10年ほどの業界歴。
選考で企業が何を重視しているか、どのような人に入社して欲しいかなどの企業目線から、学生の就職活動のサポートをしている。

就職活動中の学生の皆さんの中には、「こんな治療家になりたい」と面接で話す志望動機の内容を練っている人も多いでしょう。でもちょっと待ってください。もしかしたら独りよがりな内容になっているかもしれません……。

毎年多くの面接を担当している人気治療院の採用担当者によると、「こだわりが強すぎる志望動機は実は不採用になりやすい」といいます。一体どういうことなのでしょうか。企業が面接でどのような部分を見て合否を判断しているのか、上下の2回に分けて解説します。
1回目である今回は、志望動機のポイント、面接の質問で企業は何を見ているのかをピックアップします。

こんなタイプの学生は敬遠される!2大「NG志望動機」

やりたいことへのこだわりが強すぎる

皆さんは柔道整復師・鍼灸師・あんまマッサージ指圧師になってどんなことを実現したいですか?

将来の夢を明確にしておくことは、自分に合う会社を見つけるためにも非常に重要なことです。しかし、やりたいことがとがり過ぎていても敬遠されるということをご存知でしょうか。

例えば、次のような志望動機を見てどう思いますか?

  • 「柔道整復師としてしっかりと外傷を診る技術を身につけたいから、トレーナー活動や外傷に強い企業を志望している」
  • 「○○の鍼灸技術を日本に広めたいから、自分なりの鍼灸治療ができる企業で患者に○○鍼灸を打ちたい」
  • 一見すると、自分の将来像がちゃんと描けており、優れた志望動機に見えるかもしれません。けれども、その思いがあまりに強すぎる場合は注意が必要です。

    多くの治療院では、業務と並行してトレーナー活動をしたり、外傷のほかに自費診療で慢性疾患を取り扱ったりしています。
    先生の得意な治療方法を尊重してくれるところでも、ベースの治療法・考え方はあります。
    純粋に自分の興味がある施術だけに携われるとは限りませんし、多くの場合、最初は、その人の興味のある施術よりも、来院数の多い疾患の施術が優先されます。

    そのため、言葉の選び方によっては、採用担当者は、「この人は、興味のある施術方法ではない症例・患者の時にも頑張ってくれるだろうか?」と心配になってしまいます。

    やりたいことがある、ということはそれだけでとても素晴らしい事ですが、興味のある施術のその先に、患者様がいるという視点は忘れないように気を付けましょう。

    先に挙げたような志望動機は、例えばこんな表現を一言追加できると、誤解も生まれにくくより良いでしょう。

  • 「自分が、学生の時にけがでスポーツをあきらめた経験があるので、怪我や痛みでできないことがある人を減らしたい。だからこそ、慢性疾患の技術はもちろん、外傷の技術もしっかり身に着けられる企業を志望している。」
  • 「鍼灸師として、どんな患者のどんな症例にも対応できるようになりたい。だからこそ、基本の技術はもちろんだが、今はあまり知られていない技術も身に付け、自分なりの鍼灸治療ができる企業で患者の状態に併せて治療法を選択できるようになりたい。」
  • 自分の時間を大事にしすぎている

    自分の時間を大切にしたいあまりに勤務時間にこだわりすぎるのも要注意です。

    診療中は目の前の患者に集中する必要があるので、どうしても患者対応以外の仕事は営業時間外に回りがちですし、とはいえ必要な仕事だからこそ残ってでもやっています。
    勤務時間の事に言及しすぎる人は、患者や周りのスタッフの都合を考えられていない、自分のことだけしか考えられていないように見えてしまいます。

    メリハリをつけて働きたいから早めに帰りたい、と思うことが悪いというわけではありません。むしろ、業務効率を上げて、無駄な残業をせずに帰ってほしい、という気持ちは多くの会社でも一緒です。

    プライベートも大事にしたい場合は、早く帰れる(時間)かどうか、ではなく、みんなで早く帰ろうとする文化(社風)があるかどうか、を基準にチェックし、志望動機でもそこに言及するとミスマッチが起こりにくいでしょう。
    「業務効率をあげて早く帰ろうとしている」「体調不良などで急に穴が開いても埋められる体制を日ごろから整えようとしている」などの視点がポイントです。

     

    面接官はこんなところを見ている!受かるためのポイント5選

    面接官は求職者と面談するとき、どのような部分を見ているのでしょうか。代表的なポイントをご紹介します。

    ①会社や先輩の話に素直に耳を傾けることができるか=自分にとって不都合なことも素直に受け入れて成長できるかどうか

    面接官が会社の事業内容を説明している際、うなずきながら共感している様子の学生がいたとします。こんな人を見かけると、「会社や先輩が教えることを素直に吸収できる人だな」と面接官は判断しています。

    自分が苦手なことをさらけ出すのも実は好印象を与えます。苦手なことがあるのは決して悪い事ではありません。

    例えば、「初対面の人とうまく話せないことに悩んでいる。でも、変えていきたいと思っているから、指導してもらいたい」と素直に伝えてくれる学生がいたとします。

    面接官からすると、「自分の課題に真正面から向きあう向上心のある人だな」と、むしろプラスの印象を抱くのです。

    逆に、突っ込まれそうなポイントだからと隠そうとすると、面接官にマイナスの印象を与えます。

    例えば、留年している方・国家試験に再チャレンジすることになった方で、そのことを隠そうとする・もしくは話したがらない人を見かけます。
    もちろん、頑張ったけれども事情があって、という側面はあるでしょうが、面接官からすると「自分の課題に向き合わず、成長できていない」と見られてしまいます。
    思い切って、自分が悪かったと思う所を素直に話し、改善のために今何をしているか、を伝えましょう。そうすることで、むしろ自分の苦手を隠す現役生よりも選考が有利に動くことすらあります。

    ②人に笑顔で接することができるか=患者にも笑顔で接することができるかどうか

    治療家という仕事において笑顔は非常に重要です。患者様は身体の痛みだけでなく、痛みがあることで生じる心の不安や不満も抱えて来院されます。

    笑顔が多い人は、患者様の心を明るくできる人だと判断します。一方、笑えない人は患者様に対して不快な思いをさせてしまう可能性があると判断します。
    コミュニケーションが苦手なことよりも、笑顔が少ないことの方がシビアな評価につながることもあります。

    また、採用担当者以外にも気を遣えているかどうか、も見られるポイントです。
    過去、受付の方がいるのに無視して中に入ってきた、面接前に近くの道端で煙草を吸っていた、待ち時間に他の患者もいるのに足を組んで待っていた、などの不採用理由もありました。
    面接での受け答えだけではなく、あなたの人柄を見て採用するかどうかを決められるので、面接場所の最寄り駅に着いた時点から気を引き締めておきましょう。

    ③会社で実施している勉強全般に興味を持てるかどうか=先生としての成長速度の速さ

    治療院の見学や面接の際、「御社ではどんな勉強会を実施していますか。ご縁をいただけた場合、入社前から参加させていただきたいです」と要望する学生がいれば、面接官は高く評価するでしょう。

    また、技術以外の学びについて質問することも好印象を与えます。技術は持っていて当たり前の業界です。技術を扱うだけの「人柄」を備える先生になれるかどうかがむしろ大切なのです。

    信頼される人になるための学びの場は、ほとんどの場合会社で用意されています。
    技術だけにしか関心がない学生よりも、技術に限らず自分の身になることすべてに興味を持つ学生の方が、成長意欲が高く早く活躍できる人材になると面接官は判断します。

    ④感謝の気持ちを持てるか、伝えらえるか=患者や周りのスタッフと良好な関係を築けるかどうか

    周囲や患者様に対して感謝の気持ちを持てる人かどうか、という点も面接官は見ています。
    見学や面接といった限られた時間の中でアピールすることは容易ではありませんが、実は簡単にライバルに差をつける方法があります。

    それは、見学の日程調整の際にメールやLINEの返事を早くする、マナーに気を付け相手が読みやすい連絡を心がける、見学後にお礼のメッセージを送るといった、ちょっとしたことです。
    これは全て「相手の時間をいただく事への気遣い、相手の時間を奪わない配慮」と言えますので、感謝の気持ちがある人だと判断できます。
    とても重要なことですが、学校で教えてもらえるかどうかはまちまちです。できていない学生も多いからこそ、ちょっと工夫するだけで大きく差が出る裏技です。

    ⑤本気で志望しているか、質問の数は多いか=他社ではなくうちで頑張ってくれるかどうか

    質問のレベルは気にしなくて構いません。入社後に勉強すればいくらでも改善できるからです。それよりも採用担当者が見ているのは、学生の「本気度」です。

    本気で入社したいと思って面接に臨んでいるのか、とりあえず面接を受けに来ただけなのかは質問の数で判断されることもあります。
    質問の数が多ければ、会社に本気で興味を持ってくれていると思います。好きな人ができた時に、相手の事をもっと知りたくていろいろと聞くのと同じですね!

    絶対に準備しておくべき面接での頻出質問3選

    ①将来やりたいこと・志望動機

    冒頭でお伝えした通り、やりたいこと・大事にしたいことと、会社でできることにずれや誤解がないかどうかを確認するために質問されます。

    アピールしている点が似ている会社でも、詳細を比べると異なる部分があることがあります

    例えば、教育に力を入れていることをアピールしている会社が2社あったとします。
    ただ、中身を見ていくと、なるべく早く現場に入ってもらい、習うより慣れろの視点を重視している会社もあれば、しっかりと期間を取って研修を行うことを大切にしている会社もあります。
    同じ「教育に力を入れている」でも、あなたの性格によってどちらが合うかは異なるでしょう。そこまで理解したうえで選考に臨み、志望できると、より合格率は高まります。

    ②資格取得のきっかけ

    もしやりたいことが決まっていなくても安心してください。その場合は、資格を取った理由と結び付けて「大事にしたいこと」を話しましょう。
    実は、将来やりたいことが明確に決まっている学生は少なく、漠然と開業やトレーナーになることを希望しているだけのケースが多いです。

    心当たりがある方は、資格取得のきっかけと、「だから会社でもこうしたい」をリンクさせておきましょう。
    面接官も、資格取得の想いやきっかけが、働くことで手に入るのか見るようにしています。

    ③他に興味を持っている会社はあるか

    主に二つの理由で質問します。

    一つ目は、学生の求めているものを把握するためです。
    他社のアピールポイントが自社と似ている企業であれば、その学生の求めるものと会社が提供するものにずれがないと安心できます。

    逆に、アピールしているものがバラバラな企業の場合があります。
    A社は治療技術の豊富さ、B社は外傷、C社はワークライフバランスと、アピールの内容がバラバラだと、学生が本当に求めているものはどこにあるのかを詳細に確認する必要があります。

    二つ目は採用の可能性を探るためです。自社だけを見に来ている場合は志望度が高いと言えますが、複数の治療院を比較している場合は志望度が高まっていないこともあります。

    志望度が高い求職者は自分で会社のことをよく調べているので、面接官も質問の内容を絞り込むことができます。
    逆に複数を比較している求職者に対しては、より会社を深く理解してもらうための面接をしようと考えます。

    「複数社見ていることを伝えると、落とされてしまうのではないか」という不安から、その事実を隠してしまう方も中にはいらっしゃいます。
    ただ、この業界は意外と狭く、競合他社の企業の人事同士がつながっていて情報交換がされることもしばしば。
    ばれてしまって選考に大きく不利になる可能性もあるので、正直に答えるようにしましょう。
    見学などの際に、「心を決めてから面接に来るように」と言われている場合は、その通りに、面接のときはできるだけ単願第一志望で受けるようにしましょう。

    まとめ:採用担当者の評価ポイントを理解しよう

    採用担当者は履歴書だけで求職者を評価しません。履歴書が自分をアピールするための準備物だとしたら、治療院の見学や面接は採用担当者にどうしても欲しいと思わせる最終プレゼンの場です。
    今回お伝えしたNGポイントを把握し、「希望の就職先」を叶えましょう。
    次回は、「絶対内定!(下) ~NG履歴書・逆質問~」と題して、履歴書の作成において気を付けるポイントと、皆さん悩みがちな逆質問について解説します。

     

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