鍼灸師のボーナスっていくら?気になる相場や高めていく方法
キャリア・働き方
鍼灸師
ボーナスは賞与とも呼ばれており、毎月支給される月給と違って年間で決められたタイミングに支給されます。一般的には年末や夏頃に、年に1〜2回支給されることが多いです。
これらは鍼灸師でも同様で、様々な勤務体系が存在しているなかで、勤務鍼灸師を選択するポイントの一つに給与やボーナスは気になる要素ではないでしょうか。
では、実際の鍼灸師がもらえるボーナスはどの程度なのでしょうか。
今回は、そんな鍼灸師のボーナスについて様々な観点から考えてみます。
鍼灸師のボーナス事情
鍼灸師の求人情報では賞与の有無を知ることができますが、すべての事業所でボーナスを受け取れるわけではありません。中には年間の売上に応じて支給、ボーナスや賞与がそもそも無い、支給されるか決まっていない、といったケースもあるため、事前に求人情報を確認する必要があります。
ボーナスの実態
令和4年度、国の賃金構造基本統計調査によると、その他医療従事者のボーナスの平均は約71.4万円になります。
その他医療従事者の中には、鍼灸師以外にも柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師などの職種も含められており、それらのボーナスの平均となるため鍼灸師だけを反映させたものではないので注意が必要です。
実際、新卒者を主に扱うウィルワンエージェント調べでは、ボーナス授与の対象者の平均額は16万円前後でした。この金額だけを見ると鍼灸師以外の資格によって底上げされていることが類推されます。
既卒経験者としてキャリアを積むとまたこの額は変化していきますが、鍼灸師単体としてみた際に実態と比べるとかなりの乖離がある印象を受けます。
ボーナスではない寸志
賞与とは少し異なりますが、寸志と呼ばれている形式で年末などに1年間を労い、経営者である院長などから封筒などに入れられたお金を直接渡されることもあります。
この場合は賞与とは異なり「〇か月分の給与」のような形ではないため、数千円から多くても数万円までが相場になるでしょう。
鍼灸業界はこのような形での支給が慣例としてあり、特に新卒においてはボーナスでなく寸志の形が多い傾向にあります。
鍼灸師の基本的な給与構造
先ほどの賃金構造基本統計調査を例に考えると、月給が約31万円、賞与が約71.4万円であることからおおよそ2か月分の給与がボーナスとして支給されている計算になります。
一般的なボーナスの支給額は2~4ヶ月分ですので、データ上では新卒鍼灸師においてのボーナスは少なめといえます。
「ボーナスが多ければ年収も高くなる」というわけではないため、収入アップを考える際は、月給と賞与を合わせた年収で考えるようにしましょう。
一方で独立開業した場合には自分で自由に給与やボーナスを設定できるのでそちらを目指すのも一つの手です。
ボーナスの金額ってどうやって決まるの?
ここからは、鍼灸師のボーナスの金額がどのように決まるかについてご紹介いたします。
基本は資格と経験年数
資格取得から何年経っているか、勤務開始からどの程度時間が経過しているかがボーナスには大きく反映されます。
新卒採用で入社して定年まで働くという一般的な年功序列を重視している企業であれば、年齢によって若い方が少ない場合もありますが、鍼灸師の場合にはそうとは限りません。
若くて長く働いている、患者さんからの指名が多い、など鍼灸院に対する貢献度が高かったり実績がある場合には多くもらえることもあります。
事業所形態もボーナスに影響
鍼灸院は、大多数が自営業や規模の小さな中小企業になります。そのため、一般的にはボーナスが少なく、寸志になる、といったことが多くなるでしょう。
鍼灸院の他に、整骨院や美容サロンを併設している、系列院が多い、販売などその他の事業を行っている場合には、事業規模が大きくなることがあります。
その場合には、もらえるボーナスにも影響を与える可能性がありますが、基本的には自分自身が働いている事業所での営業状況が自分自身のボーナスに影響を与えます。
忘れてはいけない勤め先の経営状況
支給されるボーナスに影響を与えるのは経営状況です。
鍼灸院に来院される患者さんからいただく施術料金の売り上げが多くなればなるほど、鍼灸師の給与やボーナスも増えるということにつながります。
ボーナスや年収を高めるワンポイントアドバイス
鍼灸院の営業利益は、鍼灸師自身が得る施術料金そのものが反映されています。
鍼灸師の年収やボーナスをできるだけ高くするためには、鍼灸師としての自分自身のスキルアップが欠かせません。鍼灸の技術を日々向上できるように勉強を欠かさず努めて、患者さんに還元できるようにすることが必要不可欠です。
患者さんから選ばれる鍼灸師となるためには、鍼灸師としてのスキルのほか人としての魅力を高めることも大切です。
技術以外でも喜んでもらえる接客力やおもてなし力などを鍼灸の技術と同時に培い、この人に施術してもらいたい、この鍼灸師に担当してもらいたいと思ってもらえる鍼灸師を目指しましょう。
まとめ
鍼灸師のボーナスは約67.5万円というデータがありますが、これは柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師など、鍼灸師以外の職種も含まれており、鍼灸師のみのデータではないことに注意しましょう。
また、ボーナスや賞与のほか寸志などで、毎月の給与以外の支給実績は多くあるようです。
給与やボーナスに関しては、小規模な鍼灸院であればあるほど、鍼灸師自身の営業利益が大きく影響します。
鍼灸師のボーナスは、鍼灸師である私たち自身の頑張りが大きく反映されることから、ボーナスがどれぐらいもらえるかは自分次第ということもあります。鍼灸師として自分の鍼灸施術の技術力を高めることは、鍼灸院での評価につながりますが、それ以上に自分自身のやりがいにもつながります。
将来、独立開業を考えている場合に今がんばることは、ボーナスを高めるだけではなく自分自身のためにもなりますので、鍼灸師として日々の努力を続けていくようにすると良いでしょう。
【参照URL】 ・令和4年賃金構造基本統計調査 |
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