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絶対内定!(下) ~NG履歴書・逆質問~

治療家業界に特化した就職・転職支援サービスとして、業界最大級のウィルワンエージェントで、学生を専門に就職サポートを行うキャリアパートナーの土居さんにお話を伺いました。

記事を書いた人

土居 怜司

株式会社エス・エム・エス ウィルワンエージェント キャリアパートナー

企業に対して治療家の求人広告の営業を2年経験、その後は治療家の転職支援と学生の就職活動支援を行い、計10年ほどの業界歴。
選考で企業が何を重視しているか、どのような人に入社して欲しいかなどの企業目線から、学生の就職活動のサポートをしている。

前回「絶対内定!(上) ~NG志望動機・面接のポイント5選・頻出質問3選~」に続き、面接官が就活生のどんな部分を見て合否を判断しているのかを解説します。
今回は、特に質問の多い、履歴書の作成において気を付けるポイントと、皆さん悩みがちな逆質問についてピックアップします。

なぜ繰り返し不採用に?NG履歴書の特徴

一発アウトの履歴書を平気で企業に送りつけてくる就活生が後を絶たない――。嘘のような本当の話です。
これが正解!履歴書の書き方」でも紹介している、間違いやすい例の中から、特によくあるケースをピックアップして紹介します。

汚れている・誤字脱字がある・修正テープが使ってある

履歴書の作成には時間がかかるもの。せっかく丹精込めて書き上げた履歴書に、お茶が数滴かかってしまったら…1文字だけ誤字が見つかったら…
また書き直すのには時間も労力もいるから、そのまま出してしまいたい、修正テープを使ってしまいたい、という気持ちも非常にわかりますが、非常識です。
そんなことになっても書き直す時間と労力を確保できるように、できるだけ早めに作成を始めておきましょう
下書きを書く日と、清書する日を分けるのも一つの手です。

また、誤字があっても直せるように、と、消えるボールペンで履歴書を書こうとする方もたまにいらっしゃいますが、絶対NGです。
他の人が修正したり改ざんしたりできる、信頼性のない書類になってしまいます。
水性・油性は問わないので、きちんと消えないボールペンで丁寧に書くようにしましょう。

証明写真の写真が古い・スーツをきちんと着用していない

一般的に、証明写真は3ヶ月以内に撮ったものを使うのがセオリーです。
1ヶ月前の写真で髪型が違うくらいなら問題ありませんが、入学時に撮った3年前の写真などはNGです。
また、私服で撮る・ノージャケットで撮ることはできるだけ避けましょう
常識がないと思われるだけでなく、ズボラな人という印象を採用担当者に与えてしまいます。

志望動機・自己PR欄の文章が日本語的におかしい

1文が長くなると、接続詞が重なり、違和感のある文章になりやすいです。

極端ですが、場合によっては、自分で思いつきのまま書いているだけで、相手に伝えようとする努力が見えないと判断されます。

治療家は患者様の些細な変化を身体面だけでなく表情や会話からキャッチし、心まで笑顔にしなければならない仕事です。
自分が作成した履歴書を見て相手が抱くであろう違和感を感じ取れない人が、患者様の心の変化まで気づくというさらに難しい仕事が務まるでしょうか?

文章力に自信がない方は、作成した文章をチェックしてもらうようにしましょう。また、1文を2文にわける、など文章を細かくすると、違和感がでにくいですよ。

 

知らないうちに悪印象に。NG逆質問

正しい履歴書を送付して書類選考をクリアしても、次は面接や治療院の見学という難関を越えなければなりません。
ここで必ずと言ってもいいほど求められるのが「逆質問」です。
逆質問も、履歴書と同じく、「気を付けた方が良いポイント」があります。ここではNG例を解説します。

無意識に自分の価値観を押し付けている

特に学生の応募者で、無意識に自分の価値観を押し付けた質問をする方が少なくありません。
実際にあったケースで、こんな質問が学生からありました。

 

  • 「この院はベッドとベッドの間の仕切りがないんですね。自分のプライベートを大事にしたい患者さんが多いと思いますが、なんで仕切りを作らないんですか?」
  • 確かに、自分のプライベートを大事にしたいから仕切りが欲しい、という患者さんはもちろんいるでしょう。
    ただ、この聞き方ではまるで、会社が間違っていて、変えるべきだと言っているように聞こえますよね。

    ちなみに、この治療院の回答はこうでした。

  • 「施術スタッフと患者さんだけではなく、患者さんと患者さんも含め、院全体でコミュニケーションを取って活気のある院にしたいと思っています。
    もちろん、鍼灸治療などで肌が露出するときは別の部屋にご案内しますが、基本的にはコミュニケーションを取りやすいように仕切りは設けていません。
    そのスタイルが合わない患者さんは他院に行かれますが、うちを気に入ってくれる人は、むしろ院全体でのコミュニケーションを楽しみにされている方が多いです。」
  • この理由を聞くと、仕切りがないのにもちゃんと理由があることがわかります。

    特に社会人経験のない新卒の学生の場合、自分の価値観に合わない治療院の運営自体が間違いではないか、という視点で質問しがちです。
    面接官からすれば、患者でも働いているスタッフでも経営のプロでもない人から「上から目線」で非難されているように感じ、不快な気持ちになります。
    場合によっては理由の説明をせず、適当に受け流すかもしれません。

    どの治療院も患者様に対して確固たる考え方を持って運営しています。自分だったらこうなのに、と考えて「疑問を持つ」ことはとても素晴らしい事ですが、選考中は「意見をする」ような言い方はしないように気を付けましょう

    採用担当者としても、「この人は、さほど知らない相手の事に対しても、自分の価値観で意見を押し付けてくる」という印象を持ってしまいます。
    そんな人が果たして、初対面の患者様からきちんとお悩みを聞き取り、信頼を得られるだろうか?と思ってしまうのです。

    ところで今の事例、実はほんの少しの工夫で印象がガラッと変わります。
    例えば、

     

  • 「ベッドごとに仕切りがある院も見てきましたが、ここではむしろ開放的なつくりになっているんですね。何か理由があるのですか。」
  • と言い換えてはいかがでしょうか?

    このように、違いの背景を理解しようとする質問なら全く問題ありません。むしろ違いを理解し、自分に合う治療院はどちらなのかを真剣に考えている人なのだと高評価につながるでしょう。

    お金や時間の事ばかり繰り返し質問する

    昇給やボーナスなど、お金のことを繰り返し質問する人が多いです。しかし、どうしたら稼げるかを知らないまま聞いている方が多いと感じます。

    この質問をする方にありがちなのは、学生でも転職希望者でも「今の自分のままどうすれば給与を上げるか」という発想になってしまっているケースです。

    厳しいことを言うようですが、自分の価値が上がっていないのに、どうして給与が上がるのでしょうか?

    給与を上げるには、よりたくさんの患者様を診られる先生に成長する、もしくは結果を出して役職を上げる、といったステップアップが必要であることは言うまでもありません。

    お金以外でもそうです。

    「たくさんの患者様を治療したい」と言う割に、勉強に関する質問は0、退勤時間ばかり気にしていて、「今の自分では未熟だから、成長してたくさんの患者さんに貢献しよう」という発想がありません。
    会社から与えられた環境だけで成長できるんじゃないか、と思ってしまっています。

    もちろん、会社も成長機会は用意します。しかし、結局は本人の自己投資の度合いによるところが大きいのも事実です。残念なことに、そのことを認識できていない人は多いです。

    ちなみに、この点、国家試験の勉強でも同じです。
    学校の先生から、「今の自分のままで、何も変わらなくても、1カ月後、1年後は勝手に成長している、と自分を過大評価している学生が多い」というお声を本当によく聞きます。
    自分に自信を持つことは重要ですが、自信に伴う努力をする必要があります。
    授業にただいるだけではなく、授業の内容を自分でかみ砕いて理解し、復習して定着させ、テストを受けて自分の実力を把握して次に生かす必要があります。
    単位を取ることではなく、国家試験に合格し、治療家として困っている患者さんを助けられるようになる、ということが目標です。
    若干話は脱線しましたが、今の自分を変える努力をしなければ未来が変わることはありませんので、その点は学生のうちから忘れないようにしましょう。

    今日から使えるおすすめ逆質問

    いきなり元も子もないことを言うようですが、「あなたが大事にしたいことが大事にできるかどうかを知れる質問がおすすめの逆質問」です。
    例えば、「鍼灸治療の経験をたくさん積みたい」と思っているのに、スタッフさんの雰囲気や昇給の制度ばかり聞いていてもあまり意味がないですよね。
    鍼灸治療の経験をたくさん積みたいのであれば、下記のような質問をした方が、鍼灸治療の経験を積めるのかどうか判断できそうです。
    ・鍼灸治療を受ける患者が一日どのくらいいるのか
    ・患者に鍼灸を勧める場合、どんな症状の時に勧めるのか
    ・鍼灸治療を提供するのが初めての患者の場合、どんな説明をするのか
    ・どの店舗でも同じくらい鍼灸治療を勧めているのか、地域差や、院長の考え方によって勧め方に差があるのか
    ・1院に鍼灸師スタッフは何人くらいいて、1人当たり何人くらいの患者さんに鍼灸治療ができるのか
    ・鍼灸に関しては、どんな治療方針なのか
    ・鍼灸治療に関する研修と勉強会はどのくらいやっているのか、どんなことを学ぶのか

    とはいえ、まだ面接前など、自分が何を大事にしたいか明確になっていない場合や、
    今までの施設見学などで疑問はクリアになっていて、面接で合格率を高めるために逆質問を効果的に使いたい場合もありますよね。
    そんな方に向けて、おすすめの逆質問をいくつかご案内します。

    ・入社を決めたスタッフの志望動機ではどんな内容が多いか
    ・やりたいことが定まっていないスタッフが入社してきたことはあるか
     ある場合、入社してからどんな活躍をしているのか
    ・今まで見た中で、どんな性格・考え方のスタッフは活躍している傾向にあったか
    ・逆に、どんな性格・考え方のスタッフは合わない印象だったか
    ・スタッフ、特に新入社員にはどんなことを大事にしてもらいたいと思っているか
    ・学校で学んでいる勉強の中で、特に現場に生きる範囲はなにか
    ・働くまでにやっておいた方が良いことはあるか
    ・会社としての在り方や理念で大事にしている考え方はなにか
    ・治療や患者に対して大事にしている考え方を一言で表すとなにか
    ・患者に提供しているメニューの一覧はあるか
     その中で、どの治療が一番人気なのか
    ・患者は、どんな症状で来る方がいて、それぞれ全体の何割くらいなのか

    ここに挙げた例は、調べれば採用サイトなどに記載がある場合もあります。載っていることを聞いてしまうと、「調べればわかることを調べていない」と判断されてしまうため、事前準備で必ず調べておくようにしましょう

    プラスアルファのテクニックですが、「就活の大事な一歩!施設見学の事前準備」で別担当が記載していた通り、「その企業の魅力を、数値に置き換えられるように」質問の仕方を工夫すると、より他社との比較がしやすくなりますよ。

    まとめ:どんな時でも相手への配慮を心がけよう

    いかがでしたか。少々辛口な部分もあったと思いますが、読者の皆さんに納得いく就職活動をしてもらいたいという一心で記事を作成しました。
    履歴書にせよ見学にせよ、常に相手への配慮を心がけるようにしましょう。そうすれば、どんなシーンでも大きなミスを犯すことはないでしょう。
    この記事が少しでも皆さんの将来に役立てば、これ以上の喜びはありません

     

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